一般鋼材や特殊鋼材の卸・小売を手がける創業58年目を迎えた老舗による地域密着型を大切にしたウェブ戦略

地域密着・顧客第一主義を貫く 鋼材専門店のアピール戦略

滋賀県草津市で一般鋼材や特殊鋼材の卸・小売を手がける草津鋼業株式会社は、今年、創業58年目を迎えた老舗だ。代表取締役である横田昌和氏に、地域密着型の企業として大切にしていることや経営に対する考え方、ホームページ(HP)の活用法・効果などについて聞いた。

地域密着を大切にした経営に対する考え方

── 家業を継がれた経緯は?

横田 当社は、トキワ商会(京都市)という祖父の会社をベースに、長男である父が草津市に進出する形でスタートしました。草津は大手企業の工場が点在していて、部品加工を請け負う下請け業者が数多くあり、鋼材へのニーズが大きい地域なのです。もちろん、息子である私は後継者候補でしたが、当時バイクや車に興味があった僕は、自分のやりたいことをやってみたいという思いから、大手ディーラーのメカニックとして働きはじめました。そのディーラー時代に「お客さまを大切にする」というビジネスの基本を学んだことで、父が大切にしてきた人と人との繋がりやお客さまのニーズに答えたいという思いを実感し、36歳の時に草津鋼業に入りました。3年ほど現場や配達、お客さまへの対応業務を行った後、40歳で会社を継ぎました。

 

地域の下請けと共存共栄

──どのようなビジネスを?

横田 大手メーカーの下請けとして機械部品の加工を行う町工場が主な取引先です。受注の際にはその取引先から設計図を示され、部品加工のための鋼材を求められるわけですが、当社は5~6メートルほどの長さで鋼材を仕入れますから、そのまま販売すると余りが出てしまいます。そこで1ミリ単位で鋼材を切断して、必要な時に必要な材料を、必要な量だけ販売します。その鋼材をお客さまが削ったり、穴を開けたりして部品に加工するわけです。昨今の機械部品加工会社は、必要以上に在庫を持たない傾向にありますから、当社のような存在は重宝していただいていると思います。

 

──要するに取引先の倉庫の機能も果たしているわけですね。

横田 はい。倉庫代わりに使ってもらい、欲しい時に発注していただければ切断してお渡しする。それが当社の役割です。

 

──するとかなりの在庫を抱える必要がありますね。

横田 常時6000種類超の在庫を持っています。もともと鋼材は種類が多いので、他社が扱っていないようなものを在庫としてそろえておくことで、「草津鋼業に頼めばなんとかなる」という状況をつくり出すことができる。そこが当社の強みでもあります。

 

──受注から納品までがスピーディーだとお聞きしましたが。

横田 仕事の「速さ」は個々の社員のモチベーションと大きく関係しています。緊急を要したり、鋼材の使用時期が迫っていたりと、お客さまそれぞれの事情を理解しながら丁寧かつ柔軟に対応することが大事です。要するに顧客第一主義ですね。ちなみに、鋼材の切断・加工・配送の段取りは、熟練の社員が日常的にうまく回してくれます。それぞれの社員も自分の思いや発言したことが、HPに載ることで個々の意識や自覚が高まり、お客さま第一主義が社員の中にも浸透しました。みんなのおかげで会社が成り立っていると思っています。

 

HPを整備して敷居を低く

──一般の方へのアピールにも取り組んでおられるとか。

横田 鋼材屋さんは中に入りにくいんですよ。前が幹線道路なので見たことはあるけど、個人は相手にしてもらえないのでは……などと思われるのでしょう。時折、「少し覗いてみたいんだけど」「一本だけでもいいですか」とものすごく遠慮がちに訪ねて来られるので分かります。僕は、そういう敷居の高さを少しでも取り除きたいという思いがあります。

 

──どんな方が来られますか。
横田 たとえば、バイクをカスタムする店の方、あるいは、地域でゴミステーションを作るために鋼材を買いに来られる方もいました。個人の方では、身近な生活のなかで鋼材が急遽必要になり、購入に来られるケースが多いと思います。これらスポットのお客さまに対しては、話を聞きながら、要求される大きさや形に鋼材を加工してお渡します。あとは組み立てて溶接するだけ、という状態でお渡しする場合もあります。いずれにせよ、当社ではできる限りの対応をします。そのことを知ってもらう一つの方法としてHPがあると思っています。現在のHPは、税理士法人松田進税理士事務所にご紹介いただいた「Smartpage(スマートページ)」というサービスを活用したものですが、デザイン性の高さや使い勝手の良さに満足しています。

 

 

──求人にも効果があったとか。

横田 はい。HPがあるとないとでは求職者の受ける企業イメージがまったく違いますからね。この間もハローワークで当社の情報を紹介された後、「HPを見させていただきました」とやってきた求職者の方がおられました。その日のうちに仕事の内容を見学された後、入社を希望されたので採用させていただきました。

 


この度は取材にご協力いただきまして、ありがとうございました。

横田昌和社長

草津鋼業株式会社
住所:滋賀県草津市青地町石塚742-5
TEL:077-563-1811
URL:https://www.kusatsu-kogyo.jp/

(インタビュー・構成/アイ・モバイル 株式会社)
株式会社TKC発行のビジネス情報誌「戦略経営者」に掲載された連載記事を掲載しております。

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