こだわりを強みとして情報発信

豊かな自然に囲まれた別荘地、軽井沢。秋の色に染まった木々が並ぶ小道に、白壁の映える一軒家「パスタ工房 グラティナ」がある。テイクアウト専門の同店のショーケースには、自家製生パスタやパスタソース、グラタンなど本格イタリアンが並ぶ。 今回は、経営者の齋藤雄二・洋子ご夫妻、顧問税理士である清水英也氏、監査担当の奈良嘉子氏に話を聞いた。

――開業された経緯を教えて下さい。

齋藤(雄二) 高崎で25年間パスタやグラタンのお店を営業していました。生パスタに興味を持ち、イタリアに行って学んだ際に、非常に刺激を受けたんですね。それで、自分で粉から作る生パスタをどうしてもやってみたくなり、「パスタ工房 グラティナ」として、去年、軽井沢に移転オープンしました。軽井沢を選んだのは、自然が大好きで自然の中でお店をやりたかったのもありますし、全国に発送する上で、軽井沢というブランドが魅力的だったのもあります。

こだわりの商品をこだわりの提供方法で

――なぜテイクアウト専門にされたのですか。

齋藤(雄二) ご家庭で美味しいものを食べていただきたいというのが、お店を始めた時からのうちのコンセプトです。フライパンでひと手間かけるだけで、アツアツの料理をご家庭で楽しんで欲しいというのが一番です。夏を別荘で過ごされる方たちは、素晴らしい景色を見ながら、また、地方発送している方にも、男性や学生さんでも、専門の知識がなくても、手軽に味わって頂きたいということで、テイクアウトにこだわっています。

――料理のこだわりを教えて下さい。

齋藤(雄二) パスタは、セモリナ粉と卵、オリーブオイルと水だけで他のものは一切使っていません。パスタソースも含め、お店に並んでいるものは全て手作りです。グラタンは、普通のご家庭で作られるものと違い、ホワイトソース自体にうまみを入れています。肉や野菜を大きな鍋で丸一日煮込んでヴイヨンをひき、牛乳と合わせて作ったソースなんです。それに、信州は本当に野菜が美味しい。その素材の良さを活かしていきたいと思っています。

――どのようなお客様が多いですか。

齋藤(雄二) 夏は別荘で過ごされる方がメインです。自宅に戻られて注文いただいたりと地方発送も伸びています。あとは地元の方が定期的に買いにみえたり、高崎の頃からのお客様にも注文いただいています。大々的な広告はやっていないのですが、お客様からの紹介などで徐々に広がってきました。前の道を通られる方が多いので、テイクアウトのパスタ工房って何だろうとずっと気になっていた、勇気を出して入りましたという方もいますし、ネットで調べましたといって来られる方もいます。

HPがコミュニケーションのきっかけに

――ホームページをどのように活用されていますか。

齋藤(洋子) お店をオープンした時に息子がホームページを作ってくれたんですが、更新ができないまま1年経ってしまいました。そこで(監査担当の)奈良さんに相談したところ、「BESTホームページ玉手箱コース(TKC自計化システム利用企業対象で3年間無償)」を勧めていただきました。私、本当にこういうの苦手で、ホームページを作ると言うと敷居が高く感じたのですが、やってみたらブログと同じように簡単にできて。デザインや色も思いどおりにできるので、やはり自分で作ることが一番だなと思いました。今は毎月の定休日や営業時間の変更は必ず更新しています。

――ホームページを見たお客様からの反応はいかがですか。

齋藤(洋子) 最近は事前にメニューを見て、ある程度注文を思い浮かべて来てくださる方が増えています。  

初めて来店されるお客様は、コンビニのようにでき上がっている料理をイメージされている方が多いのですが、ホームページを見た方は、茹でればいいんでしょ?と分かっていらっしゃいます。初めての方にはまず、ソースとパスタは別々での販売です、というところから説明が必要なんです。自分で作るものだと分かって来ていただくだけでもずいぶん違います。また、ネットで「軽井沢 テイクアウト」と検索すると上位に出てくるので、貸別荘の人が夜遅くにいらしたりもします。ワンちゃんがいるので食べに行けないと仰って。

――ブログも活用されていますね。

齋藤(洋子) ブログも4月から始めたのですが、驚くほどお客様から見たよと言っていただきます。手作りベーコンを作って、カルボナーラ新発売と書いたら、次の日に電話で注文が入りました。熊に会ったことも、すごくインパクトがあったみたいで、初めてのお客様に「熊に会ったんですか?」と言われたり。この辺りのお客様は時間的に余裕がありますし、お一人お一人覚えるためにも会話を大切にしています。ブログに書いたことがきっかけで、お客様とのコミュニケーションにつながるのも大きいです。

買ってもらえるHPへ

――今後の活用についてお聞かせください。

齋藤(洋子) 別荘で過ごされるお客様がいなくなる冬の時期は、地方発送が中心なので、ホームページが非常に大切。何の店か知ってもらうための手段から、一歩進んで、注文してもらえるホームページにしたいです。気軽に買ってもらえるように、お試しセットを作りました。お歳暮コースなど注文しやすい商品も掲載していく予定です。また、ご家庭での作り方を動画で紹介し、簡単にできるということをもっとアピールしていきたいです。一番の課題は注文しやすくすること。年配のお客様が多いので、今はFAX注文だけですが、印刷して使える注文用紙をPDFで付けたいと思います。いずれは、買い物かご機能も使いたいですね。

パスタ工房グラティナ
強みの明確化と発信が成功の鍵

――中小企業のウェブ活用についてどのようにお考えですか?

奈良 玉手箱コースは本当に操作が簡単なので、きっとお使いいただけると思いお勧めしました。グラティナ様の場合、お客様のリピート率が高く、地方発送にも対応できるという強みが、この場所とマッチして、ホームページの効果をより高めているのだと思います。 

清水 今はどの会社でもお店でも調べる時はホームページでしょう。全ての関与先企業様に使って頂きたいのですが、なかなか進まない。理由の一つは、会社やお店の強みがはっきりしないということ。グラティナ様はそこをしっかり持っておられるので大きな効果につながっています。ホームページを作成する段階で自分たちの強みや会社の理念を明確にしていただきたいという思いもあります。近くのお客様だけでなく遠くの方に買って頂けるのもホームページがあってこそ。中小企業は全国的な新聞雑誌広告などはできません。それを安く、簡単にできるのもメリットです。ぜひ多くの方に活かしていただきたいと思います。

この度は取材にご協力いただきまして、ありがとうございました。
パスタ工房グラティナ
〒389-0115 長野県北佐久郡軽井沢町追分1394-3
電話番号:0267-31-6040
HP http://gratiner.hp.gogo.jp/

(インタビュー・構成/アイ・モバイル 川上 陽子)

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