業種転換を成功に導いた口コミ効果

「食の都」のキャッチフレーズで有名な新潟県。今回は新潟県燕市分水地区にある、こだわりのクレープが人気のクレープショップ「フランボワーズ」を訪問し、経営者の本田愛子氏と顧問税理士である相田哲税理士、監査担当の長岡秀和氏に話を聞いた。

開業されてどれくらいになりますか。

本田 私の実家では両親が食品の卸問屋を営んでいたのですが、今から約30年前、卸だけでなく、何か小売りでもやってみないかと言われ、思い切って食品店の一角に一坪のクレープ販売のコーナーを作ったのがはじまりです。  

当時、東京・原宿では、クレープが流行り始め、新潟でクレープ屋ができたということで話題になり、口コミであっという間に広がりました。  そして数年後、両親が食品の卸問屋を閉めたのをきっかけに、現在地に五坪の客席を構えたお店をオープンさせました。  

当店はお客様のオーダーが入ってから作りはじめるので、どんなに行列ができようとクレープの生地から焼き始めます。やはりお客さまには作りたてのクレープを食べていただきたいです。クレープの皮や、中に入れるクリーム、トッピングもすべて原料を吟味して一品ずつ愛情込めて手作りしていることが当店のこだわりです。お客さまもそれを知ってか、店にきてオーダーすると、いつの間にかフラッといなくなり、出来あがった頃を見計らって商品を受け取りにくるのです。

―顧客がブログやSNSで紹介―

さまざまなメディアに取り上げられていますね。

本田 開業当初から、あまり広告を打ってこなかったのですが、お客さまからの口コミでここまで広げていただきました。最近では、ご来店いただいたお客様が商品の詳細や写真をご自身のブログやSNSにアップして紹介してくださっています。それと地元紙に記事として紹介してもらったり、ローカル局のテレビ番組で取り上げてもらったり、フリーペーパーに無料で掲載していただいたこともありました。それらの効果もあって、店の評判が県内外に広がっていったのだと思います。

―HPで業務効率がアップ―

その流れのなかで、ホームページを立ち上げられたわけですね。

本田 (顧問税理士の)相田先生と長岡さんから「BESTホームページ玉手箱コース」をおすすめいただきました。私としても今の時代は口コミもインターネットを中心に広がっているという実感がありましたので、すぐに開設に踏み切りました。ホームページには様々なアイデアを捻り出し四季折々の商品やメニュー、商品画像を掲載しています。季節ごとにメニューも変わりますし、メニューの数も多いのでチラシだけではなかなか伝えきれないところがあったりするんですが、ホームページなら表現に制限がありません。

ホームページを見て来店されるお客様からの反応はいかがですか。

本田 ホームページを立ち上げる前までは、電話などで「今のおすすめはなんですか?」とお問合せをいただくこともあったのですが、電話で説明するにも限りがありました。ところが最近では事前にホームページを見てから来店されるお客さまが増えてきましたので、業務効率がグンとアップしたように思います。特に土日などは遠方からわざわざクレープを買いに来て下さるお客様も増え、商圏の拡大・ウェブ活用による効果が出てきました。

―繁栄のサイクルへ―

中小企業のウェブ活用についてどのようにお考えですか。

フランボワーズ クレープ

相田 フランボワーズさんの場合、食品の卸問屋からクレープ屋へと業種転換された成功例だともいえるわけです。そして、その成功の理由は、女性ならではの店づくりと、美味しさへの飽くなきこだわりというモノづくりの真摯な姿勢にあったのだと思います。それを支えてきたのがお客さまとの良好な関係づくりであり、それが多くの支持をもたらし口コミの効果に繋がっていく。メインのターゲット層である中高生や若い女性層にとって、スマホを中心とした情報収集ツールが不可欠なものになってきています。情報を提供する側も、それに合わせて発信をしていく必要があるのではないでしょうか。 

長岡 フランボワーズさんの盛況ぶりを見てもわかるとおり、商品への一切妥協をしない姿勢や、商品の魅力をお客さまに強く訴えかける力が大きければ大きいほど、たとえ相手が大企業であっても、同じ土俵の上で対等に戦えるのだと実感しますね。 

相田 人は本当においしいものを食べた時、他の人と感動を共有したくなります。その〝口コミ力〟を情報発信によって後押しすることが、繁栄のサイクルへとつなげていくポイントなんだと思います。

この度は取材にご協力いただきまして、ありがとうございました。
クレープショップ フランボワーズ
住所 959-0119 新潟県燕市分水大武二丁目1-11
TEL 0256-97-3156
営業時間  11:00~20:00
HP http://kure-pushoppufurambowa-zu.hp.gogo.jp/

(インタビュー・構成/アイ・モバイル 久保埜裕亮)

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