ITマーケティングNews vol.2-2「労働生産性の国際比較」

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ITマーケティングNews vol.2-2

アイ・モバイル Business column


OECD加盟の労働生産性(2015年/35カ国比較)

OECD加盟の労働生産性(2015年/35カ国比較)

■ 労働生産性の国際比較
政府主導で働き方改革が叫ばれる中、「日本は米欧の先進国と比較して労働生産性が低い」という論説、主張を見る機会が増えました。
公益財団法人 日本生産性本部の「労働生産性の国際比較」が多く引用される他、厚生労働省の「労働白書」も同様に解説しています。

キーワード:「労働生産性の国際比較」 (公益財団法人 日本生産性本部)
「労働生産性の国際比較」2016年版によると、2015年の日本の1人当たり労働生産性は74,315ドル(783万円)で、OECD加盟35カ国中22位。
また、国民一人当たり国内総生産(GDP)は、37,372ドル (394万 円)で、35カ国中18位だった。
1人当たりの労働生産性は、名目GDPを就業者数で割って算出し、購買力平価でドル換算した結果を国際比較している。

■ 本当に、日本の労働生産性はイタリア、スペインよりも低いのか
OECDは、欧州の先進国を中心に構成されます。ランキングを見ると、シエスタ(午後の昼寝休憩)文化のあるスペイン(16位)、イタリア(10位)などラテン諸国や、国家財政破綻の危機にあえぐギリシャ(21位)さえも、日本よりも上位にあり、高い教育水準と勤勉さで世界に轟く日本が22位とは、あまりに肌感覚とかけ離れているように思います。米大統領選で話題になった「偽ニュース」問題もそうですが、世に流れる情報のすべてが真実とは限りません。疑わしいものは自分の目で確かめることが重要です。
上述の「労働生産性の国際比較」によると、労働生産性は以下の式で計算されています。

労働生産性の計算式(各目GDPを就業者数で割ったもの)

■「国民一人あたりGDPが低い」ということ 
単純な話で、分母となる就業者数は、概ね人口に比例するため(※)、結局この「労働生産性の国際比較」というデータは、国民1人当たりGDPのランキングと大きく違いません。わざわざ「先進国の中で際立って労働生産性が低い」などと言い換えている理由は不明ですが、この統計資料は、「日本の労働者は、労働効率が低い」という主張の論拠にもされているので、何ともミスリーディングな表現です。
※ 失業率が20%を超えるギリシャ、スペインなどの低い就業率は考慮されていない。

人口が少ないアイルランド(約460万人)やルクセンブルク(約54万人)が、極めて低い法人税率を武器に、金融、製薬といった利益率が高い企業の誘致に成功した結果、国民1人当たりGDP(≒労働生産性)が突出して高くなっています。このことからも、産業構造の違いによる差が主たる要因といえます。日本政府は、高いGDP成長目標を掲げていますが、「一人一人が頑張って生産性を上げよう」というような、誤った認識とスローガンでは経済成長はおろか現状を維持することすら危ぶまれます。
その理由については、次号でご紹介したいと思います。(や)


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(構成 / アイ・モバイル ITマーケティング研究所)

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