抹茶づくり体験と純正宇治茶の販売を通じて抹茶と日本文化の伝統を伝える

日本の歴史と伝統を伝える純正宇治茶専門店の品格

京都府宇治市の三星園上林三入本店(みつぼしえんかんばやしさんにゅうほんてん)は、創業が天正年間という将軍家御用御茶師の流れをくむ。
宇治平等院の参道に店舗を構え、抹茶づくり体験と純正宇治茶の販売を通じて抹茶と日本文化の伝統を伝えている。
16代上林三入氏と17代田中宏季氏に店舗の詳細とコロナ禍への対応、ホームページ(HP)の活用法について話を聞いた。

抹茶づくり体験が好評

店舗外観

――「将軍家御用御茶師」の流れをくむとお聞きしましたが、茶師とは?

三入 宇治は気候風土がお茶を育てるのに適しています。室町時代、足利将軍は宇治七茗園と呼ばれる茶園を七カ所指定しました。その当時、宇治茶は貴重なものであり位の高い人に好まれていましたが、そこから徐々に庶民へと広がっていきました。大体450年から500年前のことです。三星園は、初代上林三入が天正年間の人だったので、創業は天正年間としています。代々称号を三星園と称し商標は三星紋。この三星の紋所が地図の茶畑記号の由来となったとも伝えられています。茶師の役目は、一言で言えば、良いお茶を作ることです。

 

宇治茶のテイクアウト

――良いお茶を作り続けるためには?

三入 手間暇を惜しまないことです。当店は、生産者と一緒に生産段階からお茶づくりをします。その年の気候を見ながら肥料を入れ、夏には雑草を取り、新茶を手摘みする。どれも大変な作業です。そして出来栄えを見て良いお茶(抹茶の材料となる碾てんちや茶)が取れたときは、良い値段で購入します。駄目なときは買いません。そうやって生産者との関係を続けています。ここが崩れると全体が成り立たないので、生産者との関係性は大事にしています。

 

――販売方法は?

三入 小売りが9割です。抹茶づくり体験をきっかけにご購入いただくケースが多いですね。当店では、宇治のお茶しか扱わないので、ファンの方がリピーターとして繰り返し来てくださいます。

 

――抹茶づくり体験について教えてください。

三入 1999年に店舗を新築し、宇治茶資料室を作って「抹茶づくり体験」を始めました。最初に宇治茶の歴史を知っていただいて、秀吉や利休が飲んでいた抹茶がどのようなものだったのかに興味を持っていただく。ご自分で碾茶をひいて抹茶を作り、それをご自分で点たてて飲んでいただきます。修学旅行の生徒さんなど団体さんが来られたときは、日本の伝統文化の話をします。ただ体験するだけではなく、その奥にある伝統の大切さを知っていただく。手間を惜しまず自分でひいて、「自分で点たてたお茶は美味しい」という経験をしてもらいたいですね。コロナ禍で激減しましたが、ここ5年は、毎日約300人、年間3万人が抹茶づくり体験をされました。延べで言えば37万人です。地道な活動ですが、これが当店のスタイルなので、今後も続けていきます。


実店舗とHPの相乗効果

――今年の6月5日からテークアウトを始められましたが。

宏季 コロナ禍の影響でほとんどお客さんが来ない状況が続き、何かしなければと、ドリンクボトルを使ったテークアウトに挑戦しました。これは結構売れましたね。補助金が付いたのもありがたかったです。本音を言えば、抹茶づくり体験をしてもらってゆっくり味わっていただきたいという気持ちですが、テークアウトで歩きながら飲むというのも今風なのかなと思います。

 

――感染対策も早かったとお聞きしました。

宏季 当店は、団体のお客さまが多いので対面を避けるための施策は3月から行いました。当時は、アクリル板を買って来て手づくりで間仕切りを製作。アイ・モバイルさんに相談しながらそれをHPにも掲載しました。ちなみにHPは、西平会計事務所さんにご紹介いただいた更新代行サービス付きの「Smartpage(スマートページ)」を活用しています。

 

 


――オンラインショップの方は?
宏季 店売りが激減してしまった3月くらいからリピーターの方にメールを送ったり、フェイスブックやインスタグラムを使ってオンラインショップを宣伝しました。5月の新茶の時期に少しでも販売できるようにという思いでしたが、4月には早くも、売り上げが前年の2・5倍に増えました。

 

――今後はいかがでしょう。

三入 実店舗とHPとの相乗効果を期待しています。実店舗では宇治茶資料室の有効活用、抹茶づくり体験、そしてテイクアウトに力を入れ、同時にHPでの店舗紹介、オンラインショップを展開するスタイルを、今後も続けていきたいと考えています。

 

この度は取材にご協力いただきまして、ありがとうございました。

左-16代目上林三入氏、右-17代目田中宏季氏

左-16代目上林三入氏、右-17代目田中宏季氏

三星園上林三入本店
住所:京都府宇治市宇治蓮華27-2
TEL:0774-21-2636
URL:https://www.ujicha-kanbayashi.co.jp/

(インタビュー・構成/アイ・モバイル 株式会社)
株式会社TKC発行のビジネス情報誌「戦略経営者」に掲載された連載記事を掲載しております。

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