大相撲観戦をコーディネートする“相撲茶屋” のHP戦略

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大相撲観戦をコーディネートする“相撲茶屋” のHP戦略

大阪府豊中市にある有限会社天野は、大相撲三月(大阪)場所を楽しむ人のために、チケット購入から観戦まで、すべてのプロセスをコーディネートする、いわゆる〝相撲茶屋〟だ。日本の国技、伝統文化である相撲の歴史は、1500年以上とも言われている。相撲茶屋の役割は変わらなくとも経営は時代の流れとともに変わる。相撲茶屋の現状と経営の課題、ホームページ(HP)の活用について、女将の飯田美津子氏と若女将の飯田よし子氏に話を聞いた。

相撲観戦をより楽しく

──相撲茶屋の役割は?

飯田(美)大相撲は年6場所行われ、大阪は「三月場所」です。相撲茶屋は、お客さまに気持ちよく大相撲を観戦していただくために、席の予約と販売、当日の席へのご案内、お弁当や飲み物のお届け、お土産の用意などを行います。大相撲観戦の最初から最後までをコーディネートし、楽しい時間を過ごしていただくためのサービスを提供しています。「相撲茶屋天野」は、母と叔母が約70年前に始め、母が初代女将で私が2代目になります。
飯田(よ) 私は3代目です。高校生の頃から相撲茶屋に関わってきて、かれこれ40年になります。女将と私が常連のお客さまの対応を行い、場所中は、出方(若い衆)さん、台所さん等を加えて総勢12 名で運営しています。

──経営環境は?

飯田(よ) お客さまの層の変化、大相撲人気の移り変わりにより、経営環境は厳しい状況です。天野を法人化した1995年頃から、法人のお客さまが15日間通しでチケットを買ってくださるケースが少なくなってきました。会社の接待交際費が減ってきたのが原因だと思います。それでも千代の富士関や若貴の時代は、相撲人気も高く、チケットは買いたくても買えない状況でした。時代が変わって、若貴が引退し、朝青龍関が一人横綱(2004年)になった頃から、大相撲の人気に陰りが見え始めました。三月場所の相撲茶屋も16軒から8軒になるという厳しい時代です。経営努力しなければチケットが売れない時代になりました。それでも最近は、貴景勝関、遠藤関、御嶽海関、朝乃山関など人気力士も出てきて少しずつ追い風が吹いてきています。

──大相撲の醍醐味みは?

飯田(美) 土俵の上はスポットライトが当たってもともときれいな力士の肌がキラキラと輝いて見えます。また、取り組み中の肌と肌がぶつかり合う音を聞けるのも生観戦ならでは。臨場感があって迫力が違います。皆さん食事をされたり、お酒を飲んだりしながら観戦されるので歓声も大きくなり、体育館全体が自然と盛り上がります。初めてご覧になった方は、皆さん「とても良かった。見てみないとわからないものだね」と言って帰られます。

──相撲茶屋のやりがいは?

飯田(美) 常連のお客さまとのつながりを大切にしています。一年に一度の出会いとなりますが、長い年月ご贔屓にしていただいていると、そのご家族にお子様が生まれたり、ご結婚されたりと様々なご報告をいただくことがあります。そうしたことをお聞きするのが楽しみでもあり、やりがいでもあります。

──相撲茶屋にサービスを依頼するメリットは?

飯田(よ) チケットの発売開始時期が一番早いのが相撲茶屋で、三月場所の場合、天野は12月から販売します(チケット大相撲は2月第1週から販売)。観戦希望日が決まっている場合、ご自身や両親の記念日などに観戦したい場合、団体での観戦の場合、初めての観戦でアドバイスが欲しい場合などは、天野にお電話(06―6853―1429)ください。

──「満員御礼」でもチケットを入手できますか?

飯田(よ) 私たち相撲茶屋は相撲協会から割りあてられた座席を買い取ります。相撲茶屋間で融通し合うことにより、チケットの入手が可能な場合もありますので一度お問い合わせください。

〝知っていただく〟ツール

──HP開設の目的は?

飯田(よ) 税務顧問のアンサー税理士法人さんにSmartpage(スマートページ)をご紹介いただきました。目的は、相撲茶屋天野の存在を知ってもらうことです。一般の方は、相撲茶屋からチケットを購入できることや天野のサービスをご存じありません。例えば、当社では、お弁当も冷凍物ではなく仕出し屋から調達しているのですが、その内容をHPで紹介することで、お弁当がおいしそうだからと問い合わせが来たりもします。あるいは、還暦のお祝いにと、HPを通してお子さんがチケットを購入されることもあります。HPは、天野のことを広く知っていただくためのツールだと思います。

──デザインはいかがですか?

飯田(よ) トップページのデザインは、相撲のイメージがよく出ていて気に入っています。上部のロゴマークは、何回か修正を依頼した結果、希望通りになりました。「ご予約とお問い合わせ」のページには、電話対応する人の顔が見えるようにと女将と私の写真を出すようにしました。編集も自分でできるので定期的に更新しています。

 

 

 

この度は取材にご協力いただきまして、ありがとうございました。

有限会社 天野
住所:大阪市浪速区難波中3-4-36
TEL:06-6853-1429
URL:https://www.sumou-amano.jp/