次世代を担う人材確保へ向けて 事業継承とともにHPの活用を開始

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次世代を担う人材確保へ向けて 事業継承とともにHPの活用を開始

松井工作所が埼玉県入間郡毛呂山町に設立されたのは昭和36年のこと。以来、自動ドア大手のナブコシステム株式会社の協力会社として、銀座の有名レストランやパーラー、テーマパーク、マンション、病院などで使われる自動ドアのサッシを手掛けてきた。社長を務めるのは三代目の友成幸子(さちこ)氏。若き社長に、事業承継への取り組みや人材確保に向けたホームページ(HP)の活用を聞いた。


家族全員で技術を承継

――社長に就任されたのが1年半前、就任のきっかけを教えてください。

松井 私は大学を出てから、保健体育の教師として公立の学校に12年間勤めていました。工場長を務める兄が社長になると思っていましたが、兄は根っからの職人気質で、人前に出ることもある社長のようなポジションは苦手だと言い出しました。そこで、母から私に声がかかったのです。会社を継ごうと決意した一番の理由は、父と母が一生懸命仕事をしている姿を、小さいころから見ていたからです。いつも「大変で」という部分も見てきました。だからこそ、この仕事に誇りを持ち、家族全員で手伝いたい、工場を続けたいという気持ちになったのだと思います。最終的には、家族で話し合って、今の役割分担になりました。

――加工の工程は? 

松井 ナブコシステムから制作物の図面が届いたときがスタート、そこから納期までに図面どおりのものを作るのが当社の仕事です。すべて特注品で同じものはありません。会長が図面からバラ図(展開図)を起こし、姉がバラ図を基にステンレスの平板を切断するためのシャーリング(切断)表を作る。そのシャーリング表を基に切断、さらにプレーナー(曲げのための目安線引き)、ベンダー(曲げの作業)、組み立て、納品と進んでいきます。これらの工程が円滑に進まないと納期に影響します。母は、私の段取りのよさに目を付けたようです。

――どのお仕事も難しそうですね。

松井 それぞれの工程ごとに経験と知識が必要ですが、一番難しいと感じているのはバラ図ですね。今は会長が担当していますが、全体の作業の大元になる非常に重要な工程です。だから、しっかりと受け継がなくてはいけないと思っています。

――自動ドアもまた時代のニーズに合わせ変化しているのでしょうか?

松井 人感センサーの高性能化、ドア開閉の振動を抑える防振対策など時代とともに求められる安全性・性能が高まりつつあります。このような品質の向上は、すべて図面に反映されます。そのため、図面は年々複雑になっています。

――御社の強みは?

松井 加工が難しいもの、短納期のものでも受注します。培ってきた技術力と経験で、難しいオーダーでも大抵のことに対応できます。職人同士のチームワークがよく、みんなで一丸となって要求に応えられるのも強みの一つ。
ベンダーの親方は30年のベテラン。ミリ単位の細かい調整をしながら機械を操り、狂いのない曲げを実現しています。その技術は今、姉の夫が引き継いでいます。みんな仕事は真剣そのものですが、会話や笑顔もあるのがいいところ。楽しい雰囲気がないと仕事は続きません。風通しがよくアットホームなのが当社の自慢です。

――現在の課題は?

松井 人材確保です。毎年、高校生のインターンシップも行っていますが、ほとんどの生徒たちが東京への就職を希望しており、地元での就職を望む人がいないのが現状です。


若い世代にアピールする


――求人でHPを活用されているとか。

松井 はい。約1年前に必要性を痛感して、みんなで相談し制作をお願いしました。そして、HP内に採用ページを作りました。今の若い人は学校や就職サイトなどで求人情報を見た後、必ずスマホやタブレットでその会社のHPをチェックします。
そこで会社の雰囲気が伝わるよう働いている姿が見えるビジュアルにしました。
まだ具体的な採用には至っていませんが、若い世代に地元にこんな会社があることを知ってもらい、地域の活性化にも役立てればと思っています。
今後も写真を更新するなどして、アピールできたらと思います。

――ほかにHPを作ったことで効果はありましたか?

松井 当社の場合、ナブコシステムの仕事が100%なので、HPは新規顧客開拓のツールとしては活用していません。しかし、コミュニケーションツールとして役立っています。ナブコシステムの会合に行っても、「HPを見たよ!いい写真だね」と、皆さんに声をかけていただき、それが会話の糸口にもなっています。そんな会話の中からスムーズにお仕事の話も進んでいくので、HPを作って本当によかったと思っています。

 

 

この度は取材にご協力いただきまして、ありがとうございました。


前列中央が友成社長、その左が松井憲一郎会長夫妻

前列中央が友成社長、その左が松井憲一郎会長夫妻

有限会社 松井工作所
住所:〒350-0436  埼玉県入間郡毛呂山町川角509
電話番号:049-294-0207
HP:http://www.matsui-kosakujo.co.jp


(インタビュー・構成/アイ・モバイル 株式会社)
株式会社TKC発行のビジネス情報誌「戦略経営者」に掲載された連載記事を掲載しております。

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