ITマーケティングNews vol.6-1「IoTで、圧倒的な品質改善を実現」

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ITマーケティングNews vol.6-1

IoTで、圧倒的な品質改善を実現

■ IoTで、圧倒的な品質改善を実現
8月初旬、通信大手KDDIが、IoT向け通信のベンチャー企業「ソラコム」におよそ200億円を出資し、子会社化し話題になりました。
全てのモノがインターネットに繋がるIoT市場は、今後飛躍的な成長が予測されています。大手企業のIoT関連投資が活発化する中、IoTはビジネスでどのように利用されているのでしょうか。IoTのビジネス展開がめざましい分野での活用事例をご紹介します。

■ IoTの活用事例 ー IoT技術の活用がメーカーを救う
複合機で世界トップクラスのシェアを持つメーカーR社。製造ラインにおける品質改善(歩留まり向上)への取組んできましたが、品質の改善と比例して、メンテナンスコストの増大が新たな課題として持ち上がりました。そこで、R社では品質改善プロセスにIoT技術を導入し、メンテナンスコストを削減することに成功します。


1.品質改善のプロセス
品質改善は、大まかに3つのプロセスで計画されました。
第1段階の「工程の見える化」とは、製造工程を可視化することです・・・①
製造工程が複雑化した精密機械製品は、作業不良等のトラブルを早期に検知することが製品の歩留まりを高めます。特に上流工程で発生したエラーを検知できずに、下流工程で組み込まれてしまうと最終製品の歩留まり低下に留まらず、初期不良の発生による返品・交換等、品質評価の低下というメーカーとして致命的な問題に発展しかねません。

R社の品質改善プロジェクトでは、製造工程における品質チェックプロセスを増やすことで、製造ライン上の機械故障、作業不良によるエラーの早期検知に成功し、②要因分析、③改善の実施というアクションに繋げることで、製造工程全体で品質の改善を目指しました。


2.歩留まりは改善、ただしコストが課題
品質改善プロジェクトに従い、R社は製造ライン全工程の画像をすべて取得する、工程の見える化①に取り組みます。

取得したデータをもとに動作不良の要因を分析②し、早期の改善を実施③した結果、歩留まりが劇的に向上し、出荷判定通過率、初期不良返品率、修理発生率においても、プロジェクトが当初設定した指標を上回る改善を達成しました。

しかし、ここで検証プロセスの増大による、作業コストの増加という問題が新たに発生します。


3. IoTを活用し、工数を削減せよ
検証コストの増加という問題に対して、IoT技術の活用による、分析業務の効率化に取り組みます。
導入したIoT技術は、製造ラインの異常動作をセンサーで検知し、検知時のみリアルタイムで画像を保存する技術です。
この技術は、ドライブレコーダーにも転用され普及しています。

この技術の導入により、分析すべきデータの量が圧縮され、分析業務の工数を大幅に削減することに成功し、IoTの活用により、品質改善とコスト削減の両立を実現しました。


まとめ
本コラムで紹介した事例では、利用目的に沿ったデータに絞って取得するという思想にIoT技術を導入し、品質改善とコスト削減の両立を実現しました。

“見える化”という言葉は耳触りも良く、品質改善における終着地点と誤認されがちですが、“見える化”の結果、分析に必要以上の時間がとられてしまう場合、それは品質改善の道半ばです。

導入コストやノウハウなど、まだハードルが高いと見られがちなIoT技術ですが、導入の機会に直面したらぜひ前向きに、利用目的に沿ったデータを取得するために有用な技術か否かを検討されると良いでしょう。



マーケティングや品質改善の分野で、ビッグデータやAI(人工知能)とIoTを組み合わせたビジネス開発が盛んです。
しかし、IoTのベースとなるネットワーク、通信技術自体は既に普及したものであり、先端技術ではありませんので、IoTは普及しだした当たり前のビジネスカテゴリと理解すると、コラムでご紹介した事例もぐっと身近に感じるのではないでしょうか。今後急速な労働人口減が見込まれる我が国では、技術を活用して如何に生産効率を高めるか、「人の目と手」に頼らない経営が求められます。 (ITマーケティング研究所 浅井 聖一)

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(構成 / アイ・モバイル ITマーケティング研究所)

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