名刺代わりのHPで信頼つなぐ!ものづくり企業の戦略
鉄道車両用の電動機や駆動装置用の精密金属部品加工を中心にものづくりを続けてきた美喜製作は、長年にわたり国内外の鉄道車両を足元から支えてきた。
試作や単品加工にも応えてきた姿勢は、取引先から「困ったときの美喜頼み」と頼りにされている。
背景にあるのは、考える力でものづくりを楽しみ人との信頼を積み上げる経営姿勢だ。前田隆則取締役社長は、HPは信頼を築くために欠かせない存在だと話す。
「考える力」を強みに差別化

──事業内容は?
前田 当社は、先代の父が昭和45年に汎用旋盤1台から始めた金属加工会社です。現在は、鉄道車両用の電動機や駆動装置に使われる金属部品加工を中心に、小物から大物まで幅広い精密金属加工を手がけています。鉄道関連は、全体の半分弱を占めており、多くの人が利用する電車の足元を支えています。国内だけでなく、メキシコや米ニューヨークの地下鉄など、海外の車両にも使われています。
──事業の特徴は?
前田 NC旋盤をいち早く導入し、継続的な設備投資によって大物加工や試作にも対応してきた点です。金属加工業界では、小物加工を手がける会社が多く、価格競争に陥りやすい側面があります。そこで当社では、他社が手を出しにくい大物加工にも対応できる設備を揃え、差別化を図ってきました。もう一つの強みが「考える力」。私は入社前、ボイラー関連の設計業務に携わっていた経験があり、図面を読み、構造を理解した上で「どうすれば形にできるか」を考えることに面白さを感じてきました。試作や単品加工など、前例のないご相談をいただいた場合、「難しいから断る」のではなく、「どうやったらできるか」を考える。この考え方が、「困ったときには美喜製作に頼めば何とかしてくれる」と評価される理由だと思います。
──顧客との関係作りで大切にしていることは?
前田 日々のコミュニケーションです。幸運にも当社の近隣に大口の取引先があり、現場に行けば、どんな加工で困っているのか、どんな設備が求められているのかを肌感覚で感じられる環境にあります。そうした情報によって設備投資の判断にも活かせますし、細かな相談にもすぐ対応できます。気軽に声をかけていただける距離感や、必要に応じて一緒に製品づくりを進める関係性は、長年かけて築いてきた大切な財産です。
HPリニューアルの理由

──HP導入のきっかけは。
前田 お世話になっている税理士法人Delta managementさん主催の講習会でした。そこで「今の時代、このようなHPは良くない」という事例が紹介されたのですが、それが当社のHPとほとんど同じ内容だったんです。当時、HPから問い合わせをいただき、それが仕事につながったのは1社あるかないかという程度で、正直なところ「HPで仕事が取れる」とはあまり思っていませんでした。
──それでもリニューアルをしようと思った理由は。
前田 「会社案内としてきちんと整えておく必要がある」と感じたからです。取引先や求職者が当社を検索して、最初に目にするのがHPです。そこに情報がなかったり、古いままだったりすると、それだけで不安を与えてしまいます。HPは営業ツールというより、名刺代わり、もっと言えば最初に会う担当者のような存在だと考えています。

──リニューアルにあたって意識したことはありますか?
前田 HPの内容と実際の会社とのギャップをつくらないことです。見た目だけ格好良くしても、来てみたら全然違うとなると意味がありません。製品についても、守秘義務の関係で載せられる情報には制約がありますが、背伸びせず、ありのままを丁寧に伝える。それが結果的に信頼につながると考えています。
──採用情報も充実しています。
前田 採用ページでは条件などに加えて社員インタビューも掲載しています。仕事内容や働く環境について、できるだけ具体的に伝えるためです。特に若い人は、まずHPで雰囲気を感じ取ります。だからこそ、「どんな仕事をしていて、どんな人が働いているのか」が分かるようにしておくことは大切です。
採用に関しても同じです。HPを見て「ええ会社そうやな」と思って来てくれたのに、印象が全然違う、というのはお互いにとって不幸ですからね。例えば、写真は過度に演出したものではなく、実際の工場や仕事の様子が伝わるものを選びました。文章についても、良いことばかりを並べるのではなく、「うちはこういう会社です」と素直に伝えるようにしました。
常にアップデートを続けること
──新HPはいかがですか。
前田 アイ・モバイル社の『BESTホームページ』は、会社の状況をタイムリーに反映できる点が気に入っています。会社の状況は常に変わるものなので、HPも機動的に修正できることが大事です。実際、当社は令和7年9月にM&Aで近江鍛工株式会社グループの一員となり、HPでもグループ会社との関係性が分かるように表記を見直す必要がありました。そのため、HPの記載内容の修正をお願いしましたが、スムーズに対応してもらえました。作ったら終わりではなく、必要なときに手を入れられる。その柔軟さがありがたいですね。
──今後の戦略は?
前田 HPによって「この会社は今どういう状態なのか」「安心して取引できる会社なのか」という判断材料になっていると思います。最近では、SNSや動画を活用した情報発信の話をよく耳にします。そうした流れも知っておくことが重要です。
──HPで伝えたいことは?
前田 取り繕った姿ではなく、今の美喜製作そのものです。「行ってみたい」「話を聞いてみたい」と思ってもらい、実際に会ったときに違和感がない。そうした状態をつくることが、HPの役割だと思っています。
仕事は人と人との関係で成り立つものです。だからこそ、最初に出会う場所であるHPでも、誠実に、正直に会社の姿を伝えていきたいですね。
(取材協力・税理士法人 Delta management)
美喜製作株式会社
住所:〒661-0951 兵庫県尼崎市田能6丁目9?28
URL:https://www.mikiseisaku.com/
(インタビュー・構成/アイ・モバイル 株式会社)
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