心地よい味・接客・雰囲気をセットで提供するラーメン店

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心地よい味・接客・雰囲気をセットで提供するラーメン店

栃木県宇都宮市と小山市に3店舗を構える博多ラーメン龍ノ髭は、代表取締役の石塚裕幸氏が公務員を脱サラして、2006年12月、28歳の時にオープンさせた店である。競争の激しいラーメン業界にあって、居心地のよい空間づくりを目指し、女性客にも人気。味、接客、店舗づくりについて話をうかがった。

顧客の嗜好に合わせた店づくり

──脱サラの経緯は?

石塚 父が飲食関係の店を経営していて、小さい頃からずっとそれを見てきました。そんな父の姿に、自ら経営する楽しさややりがいを感じ取っていました。何より、いきいきとした生活を送っていたイメージがありましたね。しかし、次第に安定志向が強くなり、大学を卒業して公務員になったのですが、毎日なんとなく過ぎていく日々に悶々としていました。そんなとき、妻との旅行先でたまたま入ったラーメン屋さんの味に感動し、「自分もやってみたい」と……。そこが起業のスタートです。

──開店までの準備は?

石塚 最初は博多ラーメンの食べ歩きです。休日に妻と一緒に東京に行き1日に2〜3軒回りました。次に博多ラーメンの店で修行です。東京で単身アパートを借り、有名な博多ラーメンのお店に入りました。店づくりや接客、調理方法を覚え、短期間の修行を終えたのち、寸胴とコンロを買ってきて自宅でスープづくりを始めました。修行先で作るのと自宅で作るのとでは勝手が違い、なかなか納得のいくラーメンが作れなかった。それでも1年弱、試行錯誤を繰り返しながら、ようやく自分がおいしいと思えるラーメンを作れるようになり、小山市に開店しました。それが2006年12月です。

──オープンしてからしばらくは苦労されたそうですね。

石塚 今でこそさまざまなラーメンがありますが、当時、栃木県南地域ではラーメンといえば佐野ラーメンというくらいに慣れ親しんでいたため、自信を持って作った豚骨ラーメンがなかなか受け入れてもらえませんでした。特別に博多の製麺所から取り寄せた麺も「粉っぽい」「食感が悪い」と皆さん残されて……。最初の1年は辛かったですね。なんとかしなければと、博多ラーメンではあまり見かけない、もちもち感のある麺に変えたり、タレを変えたりと、いろいろな工夫を行い、そのあたりからお客さまが付くようになってきました。

──目指すラーメン店の姿は?

石塚 ラーメンの味、接客、店舗の雰囲気はセットだと考えています。外食は、非日常を演出しなければならない。極論かもしれませんが、落ちた箸は、お客さまではなく、スタッフが拾うものだと思っています。家庭で食事をするときとはまた違った雰囲気を楽しんでもらいたいのです。ここに来た時は、「汚しても構いませんから、当店での時間を楽しんでいってください。そしておいしいラーメンを召し上がってください」そういういう気持ちでやっています。

──スタッフへの浸透策は?

石塚 月に1回の勉強会を行い、接客態度などを教育しています。最初はやらされている感じですが、実際に、お客さまからありがたい言葉をいただくとうれしくなるもの。そのような成功体験を重ねることで、お客さまとのコミュニケーションの取り方を自分で考えるようになる。ある程度厳しく教育しなければ、気付けるところも気付けなくなるということです。

──女性が活躍しているとか。

石塚 宇都宮店の店長は女性ですが、私の考え方を理解・吸収してくれています。いろんなラーメン店で接客を見てきましたが、いまや彼女に敵う人はいないと思っています。お店の中で彼女のような人に輝いていてほしいですね。

──独自の営業方法があるそうですね。

石塚 毎月、それぞれの店舗で限定メニューを出します。今月は6種類。それを「龍ノ髭コラム」としてチラシにし、店舗での設置、DMでの送付、ポスティング業者をつかっての配布、ホームページ(HP)への掲載といった形で宣伝します。おかげさまで、限定メニューを目当てに来るお客さまがだいぶ増えました。今月でちょうど40号です。限定ラーメンづくりは自分が行いますが、チラシも自らパソコンを打って作っています。昼は現場に入っているので結構大変ですが、今後も続けようと思っています。


HPで限定メニューを紹介

──ホームページを開設された経緯は?

石塚 顧問税理士の税理士法人あさひさんにBESTホームページ(TKC会員の関与先企業のみ利用可能)を紹介していただきました。開設の目的は、毎月の限定ラーメンの紹介と求人募集です。また、ウェブ上で働いている人の顔や店内の様子を見せてあげることも、お客さまを誘引する有効な要素だと思います。ここは「食べログ」などの既存サイトでは伝わりません。

──今後の目標は?

石塚 5年後に2店舗増やして5店舗を目指します。たとえば10年後を考えてみると、一生懸命頑張ってくれている社員の方たちも10歳年をとるわけですから、そのときの彼らのポジションを社長である私が作り出さないといけません。そのために規模の拡大が必要なのです。

 

 


この度は取材にご協力いただきまして、ありがとうございました。


龍ノ髭
住所:栃木県小山市神鳥谷1853-1 メゾンドロワールD
TEL:0285-27-9090
URL:http://www.ryu-hige.co.jp/


(インタビュー・構成/アイ・モバイル 株式会社)
株式会社TKC発行のビジネス情報誌「戦略経営者」に掲載された連載記事を掲載しております。

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