ITマーケティングNews vol.16-1「モノ消費からコト消費へ。拡大するシェアリングエコノミー」

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ITマーケティングNews vol.16-1

モノ消費からコト消費へ。拡大するシェアリングエコノミー

経済が成熟し、あらゆるものが容易に入手できるようになった今日、人々の消費行動は、モノ消費(商品やサービスを購入・所有することに価値を見出すこと)からコト消費(商品やサービスで得られた体験に価値を見出すこと)へ移行しつつあります。

モノ消費に価値を見出さず「必要なときに借りればよい、他人と共有すればよい」という意識を持った人々と、遊休資産を抱えた人々を引き合わせることで、多様化した消費者の要求を満たしたり、持続可能な社会を目指したり、自治体の手が及ばない地域課題を、インターネットを介して解決する仕組みがシェアリングエコノミーです。矢野経済研究所の調査では、2016年度に503億円だった国内市場規模は、2021年度までに1,071億円へ拡大すると予測されています。


■シェアリングエコノミーのサービス

日本ではメルカリやジモティをはじめとする「モノ」のシェアリング・サービスが広く知られており、その多くがインターネット上の仮想マーケット内で出品者と購入者が物品を売買できるアプリケーションです。

インターネットとスマートフォンの普及により、遠く離れた場所にいる消費者と提供者を即座にマッチングできるようになりました。

1950年代の「三種の神器」、60年代の「3C」をはじめとして、国内市場は長らくモノ消費をベースに発展してきましたが、もはやモノは供給過剰の状態。モノの購入意欲が落ち込む中、90年代以降の所得の伸び悩み、大量生産・大量消費への抵抗感、価値観の多様化などから、シェアリングエコノミーが人々の間に着々と浸透して来ました。

■今「モノ」は必要なのか

一般的に、新品の購入には多くの支出が必要です。日本は国土も狭く、モノを置くスペースも限られています。様々な製品がインターネットやスマホで代替可能になり、さらにスマホがあれば少ないコストで…たとえばフリマアプリを利用することで、中古品の入手が容易です。その上、多忙な現代人の可処分時間は限られており、購入したモノ(の利用)に割ける時間はさほど多くありません。ここまでいくと、わざわざ多額の出費をして新品を買い、自宅に設置するスペースを確保するコトに価値を感じないのなら、モノの所有に合理的なメリットは殆どない、と言えるでしょう。シェアリングエコノミーのサービスが現在の消費者にとって非常に多くのメリットがある、ということが普及の背景にあります。

シェアリングエコノミー市場は既存業界の規模と比較すると、まだ小さいものですが、近い将来業種を問わず、既存の仕組みを置き換えながら市場規模を拡大していくことが予測されます。


フリマアプリで新品・使用済みを問わず大量の製品が流通すると、消費者のモノの買い替えサイクルは長期化します。これは一見、消費者ごとの支出が減るように見えますが、使われなかった分は当然その他の支出にまわります。企業にとっては、「消費者の心をつかみ、コト消費を促す商品やサービス」を提供する余地があるということです。これからの経営戦略を考える上で「シェアリングエコノミーが浸透した市場」という視点を少し意識してみてはどうでしょうか。(浅井)


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(構成 / アイ・モバイル  ITマーケティング研究所)

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