ITマーケティングNews vol.15-1 中小企業における IoT活用の現況 (2018 年)

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ITマーケティングNews vol.15-1

中小企業における IoT活用の現況 (2018年)

IoT 元年 と呼ばれた2017年も過ぎ、もはや一般的なビジネスカテゴリとなったIoT、internet of things=モノのインターネット。TV 番組で取り上げられるトピックスに過ぎない、他人事のように思われているでしょうか。本稿では今日のIoTを取り巻く状況や効果を整理します。

IoTを取り巻く状況


長崎県五島市が導入した鳥獣害対策システム イノシシ捕獲数が前年度比5.4倍に

長崎県五島市が導入した鳥獣害対策システム イノシシ捕獲数が前年度比5.4倍に

労働力不足への懸念の広がりから、AIと並ぶ新技術として注目を集め、着実に成長する国内IoT市場。2017年の市場規模は6兆円超にのぼり、2022年には12兆円規模の市場へ成長すると見られています。

※ IT専門調査会社IDC Japan (株)予測

 


銘酒・越乃寒梅で有名な石本酒造株式会社 NTTドコモの水田センサーで気温を測定

銘酒・越乃寒梅で有名な石本酒造株式会社 NTTドコモの水田センサーで気温を測定

富士通クラウドテクノロジーズ(株)が実施した「IoT実態調査」( 2017年9月)によれば、「IoTを活用している」が6.2%、「IoT活用を準備中」「検討中」が27.3%に留まっている一方で、IoT活用企業の64.7%が「期待以上の効果があった」または「期待通りの効果があった」と回答しています。

※製造業・サービス業の従事者550名を対象に実施

 


■IoT活用のために超えるべきハードル


ガートナー ジャパンの調査(2018年2月)からは、企業はIoTがビジネスに大きな変革をもたらすと期待している一方で「経営者のIoTに対する理解」や「ビジネス変革への決断」「IoTを推進する人材の不足」などの企業の経営判断に対して懸念を抱いている実態が明らかになっています。本調査は、従業員数500人以上の日本企業のIT部門マネージャー515名から回答を募ったものですが、挙がった懸念は事業規模を問わないものばかりです。裏返せば、大企業ではなくても、適切な経営判断によってIoT導入へ踏み切り、イノベーションをおこせる可能性があると言えます。


■IoTはいまや大手企業だけのものではない

かつては導入企業の規模や業種が限られ、導入コストも高額で、先行事例が少なく導入に二の足を踏みがちであったIoTですが、今日では中小企業向けサービスが続々と登場し、 サービスのすそ野は広がっています。また、自治体による導入支援活動(セミナー、補助金、教育研修プログラムなど)も盛んで、中小企業においても、導入検討が充分に可能な、身近な課題解決手法となりました。

IoTに限ったことではありませんが、自治体による様々な支援が受けられる点は、中小企業にとって大きなアドバンテージです。一度近くの導入支援機関に相談してみてはいかがでしょうか。

いまやどのような分野においても活用されるIoT

昨年時点ではマーケティングや品質改善での活用が目立っていたIoTサービスですが、いまやどのような分野においても活用されるようになりました。画像でご紹介したほかにも、SOUSEI社の中小工務店向けIoT住宅機器v-exや、クックパッド社のレシピ連動調味料サーバーOiCy Tasteなどを筆頭に、市場に投入される画期的なIoTサービスは枚挙に暇がありません。(浅井)