【海外ビジネスアイデア第6回】バックアップは〝3・2・1〞で確実に

先週のこと、私はもう少しでコンピューターを窓から投げ捨てるところでした。少々、大人げない行動だったかもしれませんが、何日もトラブルに時間をとられた揚句、完全に動かなくなってしまったのですから。  

結局、ハードディスクドライブを全部交換し、OSを再インストールし、コンピューターの中のものは全て消えてしまいました。  

コンピューターや携帯電話を、壊したことも失くしたこともないという人は、ほとんどいないでしょう。誰でも一回や二回は、クリスマスカード送付者リストや、携帯の電話帳のような単純なデータを失った経験があるはずです。 幸運なことに、私はハードディスクドライブのバックアップを、ちょうど前日に行っていたので、何も失わずにすみました。またウェブメール(Yahoo!メールやGメール)を使い、eメールはそこに全部保存していました。今は、iPhoneを手に、万一失くしても良いように、自動バックアップをとっているところです。  

多くの会社で、経理や財務のデータはバックアップされていると思います。(もしあなたの会社でやっていないようなら、このページを読むのを止めて、今すぐやりましょう) しかし、購入業者リスト、顧客連絡先、商品写真番号、レターヘッドやメニューのデザインテンプレートなど、バックアップされていないデータも多くあるでしょう。 今月はバックアップについてお話ししたいと思います。グルーポンやフェイスブックのように、魅力的な話題ではないかもしれません。が、あなたが外出しているときにも、適切に会社のデータがバックアップされるようになるのがわかれば、きっと後で私に感謝してくださるでしょう。  

データが無くなるのには、様々な原因があります。機器の故障、ウィルス、悪意ある従業員、窃盗、ソフトウェアの不具合。また、業務上一番ありがちなのは、人間の単純ミスです。偶然何かのデータを消したり、ソフトウェアの更新ミスでデータを適切に保存できなかったり。  

悲しいことですが、予期せぬ地震、津波、火事などにも遭遇するでしょう。 先日近所で火事があり、建物が全部燃え、その家の住人はデータをすべて失ってしまいました。バックアップの基本ルールは(私も実行できていなかったのですが)複数の異なる場所にデータを置くことです。  

中小企業にとって一番の課題は、ハードウェアや場所の問題というよりは、やる気があるかということです。バックアップは「馬鹿でもできること」ではなく、「本当に忙しい人こそすべきこと」なのですが、すべき時に全部しておらず、トラブルになりがちです。ファイルの保存方法は知っているけれど、それをする時間がない、面倒だし他に重要な仕事はたくさんある、という気分です。「自動的にバックアップをしてしまい、考えなくても良いようにする」ことができれば、解決となるでしょう。

【提案1】バックアップは自動で

コンピューターのなかにあるものを失うと、大変です。メインのファイルだけでなく、eメール、写真、音楽、プログラム、OSなど重要なものはデータの保存が全部できているか考えてみましょう。  

2009年10月、マイクロソフト傘下のデンジャー社が、当時流行のスマートフォン「サイドキック」でトラブルを起こしたのをご存知でしょうか。サーバーの不具合を起こし、100万人規模の顧客データを失ったと言われています。  

バックアップはまったくとっていなかったとのこと。このように、契約している会社がバックアップをとってくれているだろうと思っていても、実はしていないかもしれません。データ保存サービスは、安いものです。しかし、失くしたデータを探す時間は、決して安くはありません。デジタルでお持ちのデータは、全部確実にバックアップしましょう。

【提案2】デジタルデータはすべてバックアップ

今回のトラブルの際、私は保存つ手で適切な場所にインストールする必要がありました。すべてを元に戻すのに、20時間もかかってしまいました。元のように回復できないファイルは、保存していなかったのと同じことです。すべてを元通りに回復するサービスもたくさんあるので、検討をお勧めします。

【提案3】ソフトウェアやサービスで、データ回復が簡単にできるものに投資する

バックアップをどの程度までやればいいかを言うのは難しく、完全と言う事はありえません。しかしここまでやればほぼ完ぺきという、「3・2・1ルール」がありますので、ご紹介しましょう。  

・重要なファイルは、3つコピーを取る  

・2種類の媒体で保存する。たとえば外部ハードディスクとクラウドサービスなど  

・少なくとも、1カ所別の場所にコピーを置く。オフィスのビルが地震や火事で崩れても、回復できるように 

 最近話題の、クラウドサービスを使う事にもメリットがあります。一度保存したファイルを外からアクセスして共有することができます。アメリカでは「カーボナイト」「エフセキュア」、「SOSバックアップ」などがよく知られています。 日本版もあるサービスとして有名なのは、「ドロップボックス」でしょう。バックアップは退屈なものですが、とても重要です。早急に業務回復できるような専門のサービスや、クラウドサービスを使って自動的にバックアップすることを強くお勧めします。 

【翻訳】アイ・モバイル株式会社 マーケティングPRプロデューサー 西山裕子

オリバー・C・チャブ
アイ・モバイル株式会社 取締役
 

アメリカニューヨーク州生まれ。スタンフォード大学MBA取得。
日商岩井で東京都都市開発プロジェクトを行い、日本の環境庁で政策提案を行うなど、日本で幅広い経験を持つ。
数々の会社を立ち上げ、アメリカのパートナーにアドバイスを提供する。サンフランシスコ在住。

last update:12月29日

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