500年の伝統とブランド力を国内外に発信する宇治茶の老舗

老舗のお茶屋が数多く軒をつらねる宇治の平等院表参道。中でも、ひときわ長い歴史を誇るのが創業500年の「三星園上林三入本店」だ。風格ある店内には、宇治茶の資料室や抹茶づくりを体験できる茶室も併設され、本物の宇治茶を味わいに国内外から多くの観光客が訪れる。16代当主、上林三入氏とホームページ(HP)担当の田中ゆみ氏に情報発信の姿勢について聞いた。

本物の宇治茶と茶の心を伝える

――多くのお茶屋がある中で、こちらのお店の特徴は何でしょう。

上林 今、宇治の茶畑はどんどん減っています。老舗としての伝統と生産者を守るため、純正の宇治茶にこだわって提供するのが信念です。うちは〝ほんまもんの宇治茶〟を飲みたいという方のためにあるお店。他店に卸したり、デパートに出店したりもしません。当店でしか手に入らない、それが本来のブランド力です。地道にこつこつと伝統をつなぎ、500年続いてきました。

――抹茶づくりの体験学習もできるそうですね。

上林 お茶は日本中で飲まれている身近なものですが、学ぶ機会はあまりないでしょう。見て触れて、伝統文化の魅力を肌で感じてもらうため、20年前に始めました。点て方やマナー、歴史などお茶について色んな角度からお話し、一服の抹茶を飲んでいただく。使うのは1キロ5万円の手摘みの宇治抹茶です。外国の方や子供たちにも、〝ほんまもんの美味しさ〟を知って欲しくて奮発しています。これが真の伝統の伝え方。体験学習の評判が広がり、これまでに13万人に参加いただきました。

――どのような方たちが参加されるのでしょう。

上林 修学旅行生や観光客、他にも企業研修の一環で参加されたりと実に様々ですね。幼稚園から大学まで日本の学校だけでも300校が来られるので、多い時は1日に500人を超えることもあります。茶道はコミュニケーションなので、謙虚さや人の話を聞くことの大切さなど、お茶を通じて人との関わり方をお伝えしています。皆さん熱心に聞かれ、人生のヒントを見つけて帰る方も多いようです。最近は国内だけではなく、中国や台湾、マレーシアなど海外からの取材も多く、外国人観光客が増えています。

マスメディアとHPの相乗効果


――BESTホームページを導入された理由を教えてください。

田中 インターネットの時代になり、HPをきちんと作って発信しようと、2010年に税理士先生のご紹介で始めたのが最初です。1年前、黒を基調とした高級感のあるデザインにがらりとリニューアルし、シンプルで見やすくなったと思います。今は外国の方もHPをよく見られるので、英語のページも作りました。

――どんな情報を掲載・更新されていますか。

田中 テレビや雑誌で当店が紹介されたり、行事やイベントがある際は、トップページのお知らせ欄で告知するようにしています。自分でもHPの編集はできますが、手が回らない時はサポートセンターに依頼すると更新してもらえるので助かります。HPを見てくださるメディアの方も多いようで、そこからまた取材につながることもあります。

――HP上でお茶の販売もされていますが、反響はいかがでしょう。

田中 私どもはお店に来て買っていただくことを最優先に考えていますが、来店が難しい方には、オンラインでのご注文を受け付けています。購入者も徐々に増えてきて、定期的に買われるお得意さまもできました。あとはテレビの影響が大きいですね。番組で紹介されると、HPのアクセス数が極端に伸び、翌日以降大量の注文が入ります。特に高価な玉露が売れるようになりました。

――今後のHP活用についてお考えはありますか。

田中 現在オンラインで販売しているのは、数ある商品のごく一部なので、お客さまからのご要望を聞きながらアイテム数を追加したいですね。

また、1年前に比べ世界各国から体験学習の問い合わせが増えました。日本の方はもちろん、海外の方にも見やすいHPにする必要があると感じています。当店には英語、中国語が話せるスタッフもいますので、外国語のページを充実したり、見ただけで分かるようワンポイント的に写真を入れたり、少しずつ進化していけたらと思います。

――将来的に目指されていることは?

上林 やはり日本の伝統文化は残していかないといけません。〝ほんまもん〟に目を向けるきっかけを作り、理解者を少しでも増やすのがうちの使命。そこだけはぶれずにやっていきたい。500年続く老舗の生き様をこれから先50年、100年と見せていきたいですね。

この度は取材にご協力いただきまして、ありがとうございました。
三星園上林三入本店
住所:〒611-0021 京都府宇治市宇治蓮華27-2(平等院表参道)
電話番号:0774-21-2636
HP:http://www.ujicha-kanbayashi.co.jp/

(インタビュー・構成/アイ・モバイル 川上 陽子)

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