HPからきめ細かい情報を発信し、月1万超のアクセス数を獲得

日本有数の温泉地、箱根にのれんを出して67年の老舗和菓子屋「湯もち本舗ちもと」。店名にもなっている「湯もち」は、箱根を代表する銘菓として創業当時から親しまれている。伝統製法を守りながら、美味しさを追求し続ける3代目の杉山隆寛社長に、揺るぎない信念を聞いた。

柔らかさが斬新な名物「湯もち」

――開業された経緯を教えてください。

杉山 戦前、銀座二丁目にあった本店で、私の祖父が小僧として働いていました。得意先を回って注文を取る、御用聞きですね。当時のちもとは、職人ではなく商売の才覚がある小僧に受け継がせる考えで、そこで認められた祖父がのれんを受け、昭和25年に、ちもとに縁のあった箱根に店を構えました。

――商品は独自に開発されているのですか。

杉山 本店と共通の商品以外に、当店で独自に開発したものもあります。中でも「湯もち」は創業以来の名物です。湯あがりのやわ肌のような白くて柔らかいお餅が特徴で、中に刻んだ本練羊羹が入っています。白玉粉にメレンゲを加えて練り上げた、ふわっとした食感は、今も他にない斬新なお菓子だと思います。当店が目指すのは、1年経ってもはっきり味を覚えていてもらえること。強烈なインパクトとしていかに記憶に残るかが重要で、1口目より2口目、食べ進めるうちにどんどん美味しさが増すお菓子作りを心掛けています。

――製法にもこだわりが?

杉山 和菓子は海と土から採れたものでできる野菜のケーキ。食品添加物は極力使わず、自然の素材を採れた時と同じ常温のまま工場で加工し、できたてを販売しています。一つ一つ手作りなのも、職人の一番の道具である手で直接触れることで、練り具合を調節できるから。美味しいお菓子を提供するためにその時々で最善の方法を選択するのが、当店の最も大切にしている考えです。

――箱根土産として人気ですね。

杉山 関東圏を中心に、お土産としてお買い求めいただく観光客の方が多いです。中には「初めて食べたあの頃を思い出す」と仰るお客さまもいらっしゃいます。箱根を再び訪れた際、変わらないお菓子とともに、在りし日の思い出を提供できる、そんな存在であり続けたいと思います。

正確な情報を丁寧に伝える


――ホームページ(HP)を開設された理由は?

杉山 インターネットが本格的に普及した2007年頃、様々なサイトで当店が紹介されるようになりました。しかし、営業時間など掲載されている情報がばらばらで。当店自ら公式情報を発信するのは、お客さまに対する責任だと考え、ホームページを開設しました。

――BESTホームページの使い勝手はいかがでしょう。

杉山 スタッフが更新してくれていますが、非常に使い勝手が良く助かっています。営業時間の変更や、期間限定の商品案内など、週に数回更新しており、正確な情報をきめ細かくリリースできるようになりました。

――HPの反響は?

杉山 定番ではない限定商品を合わせてお求めいただくお客さまが増えています。来店前にHPを見て、買いたいものを決めている方も多いようで、『湯もち』以外の商品を知るきっかけになっているのではないでしょうか。現在は月のアクセス数が1万を超え、確実な手ごたえを感じています。

――地方発送もされていると伺いました。

杉山 お取り寄せの注文が毎日5~10件ほど入ります。HPに掲載している「箱詰め商品」のご用命が特に多いですね。店舗と同じようにお客さまと対話できるよう、あえて電話で注文を受けるスタイルにしています。ご用途に応じて商品をお勧めする際も、HPを見ていただきながらご案内できるのでスムーズです。

――今後の活用方針をお聞かせください。

杉山 当初の目的であった、正確な情報を伝えるオフィシャルサイトとしての役割は十分果たしています。これからはさらに愛情や思いを活字に込めて、見た人が「食べてみたい」と思えるような生き生きとしたHPにしたいです。ただ一方的に主張するのではなく、お客さまに寄り添っていくのが当店の姿勢です。以前、フォトコンテストを企画して、当店のお菓子を召し上がっている写真をHPで募集したところ、かなりの応募がありました。そのような、お客さまと出会い、繋がる場として、HPを一層活用していきたいと考えています。

この度は取材にご協力いただきまして、ありがとうございました。
有限会社ちもと
住所:〒250-0311 神奈川県足柄下郡箱根町湯本690 
電話番号:0460-85-5632
HP:http://www.yumochi.com/

(インタビュー・構成/アイ・モバイル 川上 陽子)

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