群馬名物“焼きまんじゅう”をホームページで全国に発信

群馬県で古くから愛されている名物“焼きまんじゅう”。県内に100件近くある販売店の中でも、「元祖呑龍 山田屋本店」は太田市随一の老舗だ。昔ながらの味と製法を守る6代目の二ノ宮暢幸社長・礼子夫妻、税理士の中村幸雄氏に話を聞いた。

伝統製法で作る焼きまんじゅう

――創業されてどのくらいですか。

二ノ宮暢幸社長(以下暢幸) 安政の頃に創業し、150年以上になります。当初は麹の製造販売が専門でしたが、3代目が和菓子作りを始めました。先代である父が本当に美味しい名物を作るという信念のもと、試行錯誤を重ねてできたのが当店自慢の焼きまんじゅうです。父から受け継いだ焼きまんじゅうと最中を、味・製法を変えることなく作り続けています。

――焼きまんじゅうの特徴を教えてください。

暢幸 一番の特徴は非常に柔らかく軽いこと。焼きまんじゅうは酒種を使うため、どうしても固くなりやすい。生地を練って、発酵させて、ふかす、このシンプルな工程の中で柔らかさを出すには、熟練の技が必要です。まんじゅうの原材料は小麦粉と麹だけ。添加物は一切加えず、自家製の麹から自然な甘さを引き出します。これを炭火で焼き、秘伝のみそダレを付けた焼きまんじゅうは、体に優しくいくつでも食べられると好評です。

――最中にもこだわりが?

暢幸 最中の味はあんこで決まります。当店のあんこは昔ながらの直火銅釜で作るこだわりのあんこです。銅釜は3代目から使い続けてきたもの。じっくり炊き上げることでムラなく熱が伝わり、まろやかな甘さに仕上がります。一度食べて美味しかったからと、遠方の方よりお取り寄せいただくことも多いです。

――どんなお客さまが多いですか。

礼子夫人(以下礼子) 平日は地元の方が中心ですが、土・日・祝日は東京、静岡、愛知など県外からのお客さまが多く、焼きたての焼きまんじゅうを求めていらっしゃいます。昨年、太田市を舞台にした映画の撮影で当店が使われたのをきっかけに「映画を見て来ました」と福島から来られたこともありました、新たなお客さまとの出会いにつながっています。

お客さまとの距離を縮めるHP

――ホームページ(以下HP)を開設された目的は何でしょう。

礼子 より多くの方に当店を知っていただくためです。焼きまんじゅうを知らない方にもぜひ一度召し上がっていただきたい。また、以前口コミで当店を知ったお客さまが市役所に問い合わせされることがありました。そういった方にきちんと情報をお伝えし、興味を持っていただけるHPを作りたいと考えました。

――どのような情報を発信されていますか。

礼子 全国発送可能な、ご家庭で作れる焼きまんじゅうのセットと最中の注文用紙をHPに載せて、注文を受け付けています。ご家庭での「美味しい焼き方」も写真付きで紹介しているので、参考にしていただけていると思います。他にはスタッフ全員の顔写真と自己紹介、お客さまからのよくある質問をまとめたコーナーなどを掲載しています。

――効果はいかがでしょう。

礼子 24時間いつでもHPを見て注文いただけるようになったのは大きいですね。昼間お勤めの方は深夜にFAXで注文用紙を送られる方が多い。今はほぼ毎日商品を発送しており、多い時は30件ほどになります。中には、来店されたことはないけれど長年注文いただいている方もいて、「どんなお店で、どんな人が作っているのか分かって親しみを感じる」と言われたことがあります。目に見える形で情報発信することは、お客さまとの距離を縮める上で大変重要だと実感しています

元祖呑龍 山田屋本店
――今後の活用についてお聞かせください。

暢幸 焼きまんじゅうの焼き方を動画で紹介し、見ただけで食べたくなるような内容にしたいと考えています。また、これまでに取り上げていただいた新聞や雑誌、テレビなどのメディア情報、当店の歴史が分かるページも新たに設けたいですね。HPの利点はどんどん情報を追加できること。一層充実させて、見て面白いHPを作り上げていきたいです。

――中小企業のHP活用についてどのようにお考えですか。

中村 易不易という言葉があるように、会社を経営していく上で変えていいものと変えてはいけないものがあります。山田屋本店さんの場合、先代からずっと引き継がれてきた経営理念や製法は守るべきものです。一方で、自社の商品の魅力を発信する方法は、時代の流れに応じて変えていくべきでしょう。今は、スマートフォンやタブレット端末でどこでもインターネットに接続できます。それらに対応した最先端のHPで情報を発信していただきたいと思います。

この度は取材にご協力いただきまして、ありがとうございました。
元祖呑龍 山田屋本店
〒373-0027 群馬県太田市金山町13-1
電話番号:0276-22-3557
HP http://www.donryu-yamadaya.com/

(インタビュー・構成/アイ・モバイル 川上 陽子)

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