HPで発信する小さな町の大きな“まちづくり”

兵庫県丹波市の中心地、柏原。城下町として栄えた風情ある町並みには、100以上の町家が点在する。株式会社まちづくり柏原は、柏原の活性化を推進する公民協働のまちづくり会社だ。他県からの視察者も多く訪れるという同社の取り組みについて岡林利幸取締役、武田智佳子事務局長、田原会計事務所の田原義朗所長、津田弘一副所長、谷垣智久氏に話を聞いた。

町家を魅力ある店舗に再生

――設立の経緯を教えてください。

岡林 旧柏原町が策定した「柏原町中心市街地活性化基本計画」に基づいて、市街地に昔のにぎわいを取り戻すことを目指し、平成12年に旧柏原町、商工会、地元企業などの出資を受けて設立しました。住民にとって利便性の高い、魅力ある町となるのはもちろんのこと、柏原を訪れる人がゆっくり歩いて景観を楽しめるまちづくりを目指しています。

――主な事業は何でしょう。

岡林 一つは空き町家や古民家を店舗として再生するテナントミックスです。まちのコンセプト・ニーズに合った出店者を募り、その業種に最適な物件を紹介します。施設の改装から補助金・助成金申請、広告まで様々な支援を行っています。出店費用の負担を軽くする分、長く続けてもらわなければ意味がないので、事業計画やどれだけ強い思いを持っているかを重視して出店者を決めています。また、風情ある町並みを作る、建物の外観整備、街路の舗装も主な事業の一つです。

――テナントミックス事業の実績は?

岡林 これまでに11の出店を支援しました。最初は築百年以上の呉服屋を改装してイタリア料理「オルモ」を直営で始めました。今では柏原以外からの来店客が7割を占め、年間1万4000人が訪れる人気店になっています。ここを成功事例に、鹿肉料理店、パン屋などの出店が実現し、今年はこれまでにない大きなプロジェクトを2つ手掛けました。「中島大祥堂」は創業100年以上の老舗菓子メーカーで、古民家をコンセプトにした旗艦店を丹波に出店したいということで、街中にあった茅葺古民家を移築し、お菓子とピッツァが楽しめる店をオープンしました。県の有形文化財でもある「たんば黎明館」は、丹波市から指定管理を受けてわれわれが運営しています。中に入るテナントを募集し、大阪やパリで4店舗展開するフランス料理店「ル・クロ」を誘致しました。

事務局でのHP更新が可能に

――BESTホームページを導入されたきっかけは?

岡林 もともとあったホームページ(HP)は操作できる人がおらず、更新が止まったままでした。事業が進み注目度が高まるなか、きちんとした情報発信をしていこうと谷垣さんに紹介されて導入しました。一番の決め手は社内で簡単に更新できること。新店舗のお知らせなど、こまめに更新できるようになりました。 

谷垣 HPをより活用していただくために使い勝手の良いシステムへの切り替えをお勧めしました。最初の立ち上げは支援しましたが、その後は順調に運用され、「オルモ」「たんば黎明館」のHPも独自ドメインを取得して開設されました。

――どのように運用されているのでしょう。

武田 写真の差し替えも事務局で行えるようになり、更新頻度が上がりました。HPからフェイスブックページへのリンクを張り、「オルモ」の場合は事務局がHP、店舗スタッフがフェイスブックという形で分担して更新しています。HPの知識が全くない状態でスタートし、運営店舗の情報発信を支援できるようになったのは大きな変化です。HPを見た人から「写真が変わったね」と反応をいただくこともあり、やりがいを感じています。

まちづくり柏原
――今後の活用についてお聞かせください。

岡林 現在のHPは弊社の取り組み・実績の紹介がメインです。出店希望や視察の問い合わせはありますが、さらに一歩進んだ活用を役員会で協議しているところです。これほど小さな町で中心市街地活性化法に則ってまちづくりを行っている例は極めて稀です。それをもっと訴求し認知を高め、出店希望者が自然に集まる仕組みを作りたい。具体的には、出店先を探している人、観光で柏原を訪れる人、まちづくり会社・自治体とターゲットを分け、それぞれに合った情報提供を考えています。これまで培ったノウハウを提供し、“小さな町の大きなまちづくり”で先頭を行く会社になることが最大の目標です。

――中小企業のウェブ活用についてどのようにお考えですか。

津田 HPには情報伝達ツールとして活用できる余地がいくらでもあります。まず重要なのは更新で、そのためには自社で簡単に更新できるシステムが必要です。また経営理念や思いを伝えるには動画が効果的です。動画やソーシャルメディアの併用によりプラットフォームとしてのHPの価値を一層高めることができます。 田原 経営戦略を考える際、今やITの活用は無視できないでしょう。電話番号帳もない、新聞も取らない人々に自社を宣伝するにはHPが有効です。信用調査でもHPで公開されている情報が収集されています。中小企業の皆さまにはHPを活用してどんどん情報発信していただきたいと思います。

この度は取材にご協力いただきまして、ありがとうございました。
株式会社 まちづくり柏原
〒669-3309 兵庫県丹波市柏原町柏原688-3
電話番号:0795-73-3800
HP  http://www.kaibara.org/

(インタビュー・構成/アイ・モバイル 川上 陽子)

次の記事へ 前の記事へ

株式会社TKC発行のビジネス情報誌「戦略経営者」に掲載された連載記事を掲載しております。