アスリート向け化粧品サイトでスポーツ愛好家をとりこむ

株式会社アミックグループは、皮膚科学研究所として40年にわたり化粧品が肌に与える影響を研究。その成果を生かし、大手化粧品メーカーからの受託開発、オリジナル商品の開発・販売を行っている。昨年、アスリートのための化粧品「「AthleteX(アスリートエックス)」をリリースし、同ブランドのサイトを開設した。商品開発の背景、マーケティング戦略について中田泰尊社長に話を聞いた。

体力を消耗させない化粧品

――「AthleteX」を開発された理由を教えてください。

中田 化粧品業界でのポジショニングを考えた時、我々のような中小企業が生き残るには、スポーツというジャンルにフォーカスすることだと考えました。調べてみるとスポーツ用品店に化粧品は売っていない。スポーツ選手が使っているのは一般的な物で、水に濡れると日焼け止めが全部落ちたり、流れて目に入って大変だという声をよく聞いていました。そこで、一番過酷なレースをしているトライアスロン選手が使っても問題ない商品を開発しようと、アスリート用化粧品というコンセプトを決めました。水中で長時間使っても落ちないようにテストを重ねながら3年かけて完成しました。

――商品の特徴は?

中田 一般的な日焼け止めは、紫外線から肌を守る、化粧崩れしないことを目的としていますが、「AthleteX」は体力を消耗させない、疲労させないための道具です。紫外線による炎症はエネルギーを奪い、パフォーマンスを低下させます。「AthleteX」の日焼け止めは、過酷な環境の中で戦うアスリートを守るため、国内最高基準のSPF50+PA++++を採用しながら、海で泳いでも雨に晒されても汗をかいても落ちず、塗り直す必要がないのが特徴です。実際に使用した選手からは、8時間耐久レースやフィリピンでのトライアスロンでも日焼けせず、レース中や後の体の火照りがない、疲労感が違うなど、大変好評です。

――どのように広めていこうとお考えですか。

中田 まずはアスリートに使っていただこうとトライアスロン、自転車、マラソンなど様々な分野の選手を商品提供という形でサポートしています。その選手たちの口コミで、競技仲間やファンに徐々に広がっています。また、スポーツ展示会への出展を機にメディアから非常に多くの問合せがあり、反響の大きさを感じています。商品を取り扱いたいというスポーツ用品店も現れ、店舗での販売も始まりました。最終的に取扱店を1000店舗にすることが目標です。

HP経由の売上と客単価が上昇

――その中でホームページ(以下HP)をどう活用されていますか。

中田 会社、既存ブランドのHPとは別に、スマートフォンにも対応した「AthleteX」のHPを開設しました。このHPの一番の目的は、様々な競技で活躍するアスリートを紹介することです。サポートしている約30名の選手の大会レポートや成績を随時更新し、Facebookでも拡散しています。彼らの活動を多くの人に知っていただき、結果として商品の認知・購入につながればと期待しています。

――商品の魅力を伝えるために工夫している点は?

中田 我々には皮膚科学研究所として長年の研究成果があり、常に科学的な根拠に基づいた商品開発を行ってきました。「AthleteX」でも、従来商品との耐水性の比較実験を行い、結果を写真とともに公開しています。商品の科学的評価をデータで示すことで特徴をよりご理解いただき、安心してお使いいただけるのではないでしょうか。

――反響はいかがでしょう?

中田 当初はHPで物が売れるとは考えてもいなかったんですが、予想以上にHP経由の売上が伸びています。リピーターやセットで買ってくれる人が増え、客単価も上がっています。自社で製造し直販するわけですから利益率も高い。また、直接お客様とやり取りする中で、ニュースやサンプルを送ったりして継続的な関係を築くことができます。これは代理店販売では得られないメリットです。

株式会社アミックグループ
――今後の展開についてお聞かせください。

中田 まずはサポート選手を増やし、「AthleteX」の知名度を高め、販売店を増やすことを目指しています。自転車店、スキー用具店などのスポーツ用品店をターゲットとし、HP経由の購入者が特に多い地域の店舗に取り扱ってもらえないか提案していきたいですね。さらに、大学やスポーツ協会と協力して、「AthleteX」を使った場合と使わなかった場合のパフォーマンスの変化を研究し、データを取ることができれば、注目が高まり、他企業との協業もしやすくなるでしょう。いずれはハワイやヨーロッパといった海外への進出を考えています。

この度は取材にご協力いただきまして、ありがとうございました。
アミックグループの中田泰尊社長が2015年10月ご逝去されました。事業は後任の中田都社長が引き継ぎ、経営されることとなりました。
謹んでご冥福をお祈り申し上げますと共に、同社様のご発展をご祈念申し上げます。
株式会社アミックグループ
〒186-0002 東京都国立市東4-1-80 サクラコート国立
電話番号:042-580-0851 「AthleteX(アスリートエックス)」
HP  http://www.athletex.jp/

(インタビュー・構成/アイ・モバイル 川上 陽子)

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