HPとアナログ媒体の併用で休眠顧客の掘り起こしに成功

近年、自然素材の壁材として注目を集めている珪藻土。高い耐火性、断熱性、吸放湿性、保水性を有し、その用途は多岐にわたる。東京珪藻土工業は、戦前から続く国内でも数少ない珪藻土の専門卸会社だ。3代目である経営者の野見山嘉彦氏、顧問税理士の渡邉義道氏に話を聞いた。

あらゆる用途に対応する珪藻土

――以前は珪藻土の採掘をされていたと聞きました。

野見山 1940年に創業者である祖父が長野県小諸市の山を購入し、珪藻土の採掘を始めました。掘り出した原石を天日干しで乾燥させ、細かく粉砕したものを袋詰めにして販売していました。昔は主にコンクリートや粘土に混ぜて建材の一部として使われていたのですが、経済発展に伴い、ろ過助剤や充填剤など用途が様々に広がりました。より豊富な品種・量を提供するため国内の他の産地、また米国・メキシコ・中国の製品を扱うようになりました。

――取り扱っている製品は?

野見山 最も多く扱っているのは珪藻土の基軸とも言える米国イメリス社の「セライト」です。珪藻土は天然物ゆえに品質にばらつきが出がちですが、250メートルもの厚さの層から採掘されるセライトは真っ白で純度が高い。高品質で安定して供給できるのが特徴です。優れた透過性能を発揮する他、充填剤として製品の開発や改良にも使われています。国産の「パーライト」は真珠岩を粉砕して焼成した粉で、珪藻土の代替品です。精密さが求められる食品や化学工業の油のろ過にはセライト、公衆浴場やプールには安価なパーライトというように用途に応じてお使いいただいています。

――会社としての強みは?

野見山 歴史が長いため古くからの取引先様が多くいらっしゃいます。そこから新たにご紹介をいただくこともあり、信頼関係を築けていることが最大の強みです。珪藻土は産地ごとに形状が異なり、その性能も違います。粒度によっても多くの種類があり、見た目で品質や特徴を見極めるのは困難です。弊社は長年積み重ねてきた経験と情報から、希望される用途・効果をお聞きした上で最適なグレードのものをご提案しています。無償サンプルも提供していますので、実際に使ってみて有効性をご確認いただけます。

はがきでの案内からHPに誘導

――BESTホームページ玉手箱コースを導入された理由を教えてください。

野見山 カタログやサンプルを何百件と送っても実際には思ったほど効果がありません。珪藻土のような製品は、必要としている人に情報を届けることが重要で、それにはHPが有効だと考えました。3年間無償で簡単に作成できるHPがあると渡邉先生にご紹介いただき、開設しました。研究所や製品開発に携わっている方に関心を持っていただけるよう珪藻土の特徴や性能を詳しく紹介しています。弊社の歴史が分かる画像や顔写真も入れ、徐々に充実させています。

――反響はいかがでしょう

野見山 HPを見た方から「これに適した製品はありませんか」といった問合せやサンプルの請求が増えています。「東京 珪藻土」と検索するとトップに表示されるのも大きいようです。また、以前取引があったところにHPの開設をはがきでお知らせしたところ、取引が途絶えていた研究所からもHPをご覧になって問合せいただきました。そこから製品化に結びついたケースもあります。アナログの媒体を上手く活用することも重要だと実感しました。

やまびこ茶屋
――今後のHPの活用についてお聞かせください。

野見山 より安心してお使いいただくために安全性に関する輸入元からの情報やデータを随時開示していく予定です。珪藻土やセライトは50代以上の方はピンと来ますが、若い研究者の中には知らない方も多くいらっしゃる。一般の方の天然志向が高まり、マットや塗り壁など広く使われるようになりました。今後さらに若い方のユニークな発想を活かして珪藻土を使った新製品の開発・研究をしていただきたい。珪藻土の魅力を伝える手段としてHPを役立てていきたいと考えています。

――中小企業のウェブ活用についてどのようにお考えですか。

渡邉 今の消費者は関心を持ったらまずネットで調べます。HPは最終的な購買を決める重要なルートの1つ。良い情報・ノウハウを持っていても知ってもらう機会が乏しい中小企業にとっては、認知・関心を高められる有効なツールでしょう。BESTホームページ玉手箱コースはそれを無償で提供することができ、当事務所では積極的に関与先様にお勧めしています。TKCの担当者の方も熱心にサポートいただき、野見山社長と一緒にHPをより良いものにしていただきました。東京珪藻土工業様はアナログ媒体からネットに上手く繋げておられるのも素晴らしい。珪藻土はあまり知られていませんが様々な用途で使われており、大きな可能性を秘めています。身近に感じてもらう手段として、問合せの窓口としてHPを一層活用していただければと思います。  

この度は取材にご協力いただきまして、ありがとうございました。
東京珪藻土工業株式会社
〒151-0051 東京都渋谷区千駄ヶ谷5-1-9 千駄ヶ谷緑苑ハウス201
電話番号:03-3352-3466
HP http://tokyokeisodokogyo.hp.gogo.jp/

(インタビュー・構成/アイ・モバイル 川上 陽子)

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