ホームページを通じて鞠小路工房ブランドを世界に

日本を代表する観光地、京都。左京区にある株式会社ユーアイは、市内の土産物店を中心に和雑貨の卸販売を行っている。サイト名でもある「鞠小路工房」は、商品の企画・開発に力を入れる同社のオリジナルブランドだ。経営者の鈴庄勲氏、取締役営業部長の楠田茂氏、顧問税理士の伊良知弘敏氏に話を聞いた。

メイドイン京都の和雑貨

――事業内容を教えてください。

鈴庄 バッグ、小物、アクセサリーなどの和雑貨を卸しています。取引先は清水寺、銀閣寺、嵐山といった観光地の土産物店が主で、市内150店舗に7人の営業スタッフが毎日商品を届けています。土産物店に置いてある商品の食料品以外はほとんど扱っており、1万を超えるアイテム数は京都一と言ってもいい品揃えだと思います。

――自社で開発もされている?

鈴庄 「鞠小路工房」というブランドで企画から手掛けています。京都でしか作れない物にこだわり、京都で型染めした、ちりめんのポーチやバッグなど袋物に力を入れています。今は全体の2割程度ですが、今後さらに増やしていくつもりです。

――強みは何でしょう。

鈴庄 京都は問屋も多く激戦区。その中で打ち勝つには、各営業マンと取引先のオーナーとのコミュニケーションが何より重要です。お店で一番売れる場所にうちの品物を並べていただけるのも、売れ筋商品をアピールしたり、仮に欠品した時にも即座に他の品物でフォローしたり、普段からの信頼関係があってこそ。当社は本当にスタッフに恵まれていて、みんなの努力で成り立っています。また、お店の立地や雰囲気によって売れる商品の傾向は異なります。毎週ミーティングで情報を交換し、商品の売れ行きや団体客の動向を掴んだ上で、店舗ごとに随時最適な提案を行っています。 ――外国人観光客が増えたことによる影響はありますか?

――外国人観光客が増えたことによる影響はありますか?

鈴庄 今や外国人のお客さまが売上全体の4割近くを占めており、影響は非常に大きいです。お土産として人気があるのは靴下やマグネット。海外ではあまり種類がないということで、特に浮世絵などの和柄の足袋型靴下が2~3か月前からよく売れています。2020年まではさらに増え続けると予想しているので、外国人のニーズに合った商品を充実させていく必要があると考えています。

県外、国外に広がる取引先

――ホームページ(以下HP)をどのように活用されていますか。

鈴庄 当社は京都市内は十分にカバーできていますが、それ以外はアプローチするのが難しい。そこで営業に役立てようと小売店に向けてHPを開設しました。 楠田 HP開設前は、訪問営業だけで新規の取引先を開拓していて、結構苦労したんです。アポは取りづらく、デジカメで写真を撮って持っていく手間もかかっていました。HPができて、こういう物を扱っていますと案内できるようになり、その分、商談がしやすくなりました。既存の取引先さまもHPを見て商品を注文いただくことがあり、カタログの役割も担っています。

――取引先の開拓にも効果が?

楠田 市内だけしかなかった取引が県外に広がりました。これまで地方発送する機会はほとんどなかったのですが、今では毎日県外へ発送しており、大きく変化しています。最近では、フランス、フィンランド、台湾からも現地で和雑貨を販売したいと買い付け注文が入るようになりました。いずれもインターネットで検索してHPを見て下さったようで、今も週に1回は新たな問い合わせが入ります。驚いたのは介護施設や寺院関係など全く想定していなかった異業種から引き合いが来ることです。様々なところで京都の物が求められていることが分かり、大変嬉しく思っています。

ユーアイ
――今後のHP活用法についてお聞かせください。

鈴庄 京都以外でどうやって売上を伸ばすかを考えた時、HPから問い合わせをいただいて、それを確実に商売に結び付けていくのがベストな方法です。問い合わせのみで終わってしまった案件をもう一度掘り起こす営業もしかけていきたい。HPを重要な販路として構築していくことが会社にとってプラスになると考えています。オリジナルの和雑貨をさらに充実させて、京都ブランド「鞠小路工房」を日本全国・全世界に広めていくことが最大の目標です。

――中小企業のウェブ活用についてどのようにお考えですか?

伊良知 大企業の場合は、テレビやラジオ、新聞を使って大々的に宣伝できます。そこまでの資金力がない中小企業にとっては、インターネットを通じて瞬時に全国、全世界の人たちとつながることができるHPは大きなメリットがあります。2020年の東京オリンピックを見据えて、外国人観光客を誘致する政策も取られています。京都を訪れ、京都ならではのお土産を買う人も増えるでしょう。その中で、HPを活用され、さらなる取引先拡大につなげられることを期待しています。

この度は取材にご協力いただきまして、ありがとうございました。
株式会社ユーアイ
〒606-8167 京都府京都市左京区一乗寺樋ノ口町45
電話番号:075-711-6700
HP http://www.marikoji.co.jp/

(インタビュー・構成/アイ・モバイル 川上 陽子)

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