効果的な広報活動で受講者を獲得

全国的にも珍しい、NPO法人運営のカルチャーセンターが福岡市早良区にある。現在、年間91種類もの講座を開設、年間のべ2000人が講座に通っているという「ももちパレスカルチャーセンター」だ。 NPO法人を設立してから7年になるが、受講生の継続率が高く、自前のチラシやホームページにより効果的な広報活動も順調だ。他県からも視察者が訪れるという、ももちパレスカルチャーセンターの事務局長渡邉秀樹氏と税理士法人創研代表社員・伊藤大作氏、野田益男氏に話を聞いた。

設立の経緯を教えていただけますか。

渡邉 ももちパレス自体は、昭和49年に福岡県立勤労青少年文化センターとして設立されました。ホール、体育館、カルチャーセンターがある多目的な施設として、当時は先進的な存在でした。それが30数年たった平成16年に、管理運営していた福岡県労働福祉公社が廃止されることになり、数々の講座も廃止に追い込まれそうになったのです。受講生からは存続を願う声が多く寄せられました。そこで、当時職員だった私や講師の先生方が立ち上がって、日本でも珍しいカルチャーセンターのNPO法人を平成17年に設立しました。現在、設立してから7年。30数年の歴史と、次年度継続の受講生が9割を超えていたという継続率の高さ、交通の便の良さ、質の高い講師陣を有していることなどが、新たな展開へと踏み切る下支えになりました。

―他県から視察者の来るカルチャーセンターに―

NPO法人となってからは、どんな運営方法に変わりましたか。

渡邉 事務局体制をしっかり整えることに尽力し、講師の先生方には全員、当法人の正会員になっていただきました。その中から理事等役員を選出し理事会、総会で、決定事項を決めています。 県が運営していた時と違い、金銭面はかなり厳しくなりましたので、運営体制を何十通りもシミュレーションしました。受講料の値上げが一番簡単ですが、それでは受講生に負担がかかります。収支ギリギリのラインで受講料を設定し、講師料も以前は一律だったものを上限付きの歩合制にするなど様々な打ち手をとりました。また、昼間の時間帯を有効活用しました。朝と夜の時間帯は1講座しか入れられませんが、昼間には2講座入れることができます。経費が1講座分で済むのでリスクが少ないのです。昼間に新規講座を設け、県営の時は65講座だった講座数は、現在91講座までに増えました。採算性を求め、講座のラインナップは3年毎に見直しています。講座収入を基盤にして外部に講師派遣をしたり、コンサートを開催したりとボランティア事業を年間15~20件ほど行っています。おかげさまで、他県からも視察に来られるほどになりました。

―ホームページの必要性を感じて―

講座の特徴について教えてください。

渡邉 一番人気は、「コーラス」です。コーラス系の講座の種類は豊富で10種類あり、ほとんど定員割れはありません。次には「ギター」です。数年前に新設したのは「悠々ギター入門」。あえて「早く進みたい方には不向きです」と銘打ったことで、初心者の方も安心して入れるようにしました。 当センターでは、毎年2月の第1日曜日に受講生発表会を1日かけて開催します。これの評判が良く、800人収容のホールにのべ1000人程が来場します。その模様はここ数年、福岡のケーブルTVでも放映されています。コーラスではこの他に「春のミニコンサート」を開催しています。こういったイベントの告知にホームページが最適です。

―折り込みチラシとホームページを併用し、効果を上げている―

ホームページの話がでましたが、効果のほどはいかがですか。

渡邉 年配の方もホームページを見る方は多く、「ホームページを見て、詳細を教えてほしい」という問い合わせが以前に比べてはるかに多くなっています。実は、一番苦心しているのが広報活動です。県が運営していた時に比べ広報費がグンと減っており、予算が限られているので、最小限の部数の新聞折り込みチラシを有効な地域に折り込んでいます。例えば、同じ区でも通いにくい地域への配布は廃止し、その分遠くても交通の便のよい隣の市に入れるなど配布先を選んでいます。チラシにもホームページアドレスを掲載しているので、チラシを見てホームページを見る方も数多くおられます。年間のべ2,000人の受講生のうち、約2割の400人程度が新規の方です。新規の受講者には特にホームページやチラシが有効で、今後ホームページに頼る割合はどんどん増えていくと思います。 

受講生からは「ホームページが分かりやすくジャンル別に分かれていて、キレイで見やすい」との声をいただいています。事務局のホームページ管理者からは、「BESTホームページは修正したい時にすぐできる」、「ホームページデザインが多種あるので、季節によって模様替えが簡単にできてよい」、「検索ワード、訪問者数、前月との比較、ページの滞在時間など効果測定機能が見られるので、すぐに改善することができる」など使いやすさに高評価を得ています。 

費用対効果は、すぐに分からなくても、限られた中で最大限に努力することが肝要と思っております。

―きっかけは何でもいい、どんどん活用することが大切―

中小企業のウェブ活用についてどのようにお考えですか。

野田 ももちパレスカルチャーセンターさんの場合、元々の基盤もありながら、更なる営業努力で受講者数を伸ばしている好例です。何よりスタッフの皆さんが明るく、受講生との間に素晴らしい信頼関係を築かれています。長年通っている方はその良さを分かっておられますが、やはり新規に来ていただくことも必要。そこで、ホームページの活用がとても有効になってきます。 

伊藤 私は、ホームページの開設動機は何でもいいと思っています。経営者の方の中には、「ホームページ開設にはお金がかかる」と躊躇される方もおられますが、お客様側の立場に立つと企業としてホームページは必要です。BESTホームページ玉手箱コースは、無料で開設できるというきっかけを与えてくれるので、大変ありがたい存在ですし、玉手箱を大いに活用することが企業繁栄に繋がるのではないでしょうか。団塊の世代が65歳を迎え、何かを始めたいという頃に来ています。パソコンを使える方も増えていますので、ますますホームページを有効活用して、効率の良い広報活動をしていっていただきたいと思っています。

NPO法人 地域文化の創造と芸術振興を推進する会 ももちパレスカルチャーセンター
この度は取材にご協力いただきまして、ありがとうございました。
NPO法人 地域文化の創造と芸術振興を推進する会 ももちパレスカルチャーセンター
住所 814-0006  福岡県福岡市早良区百道2-3-15 
ももちパレス4F TEL 092-851-1008
HP http://momochi-cc.hp.gogo.jp/

(インタビュー・構成/アイ・モバイル 久保埜裕亮)

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