【世界のITイノベーション第5回】変わるITマーケティング

今回は、アメリカ最新事情から見える、今後のITマーケティングのあり方について考えてみたいと思います。

 「売れる仕組み」を考える

そもそもマーケティングとは「売れる仕組みづくり」のことです。一般にマーケティングというと何か広告宣伝のようなものを思い浮かべがちですが、そうではありません。ではどのようにすれば「売れる仕組み」が作れるのでしょうか。「お客さまが欲しい商品を提供する」「その魅力をお客さまに分かってもらう」「ご利用いただいたお客さまが使って良かったと思えるサポートを行う」「会社自体の信頼性をアピールする」などが考えられますね。つまりマーケティングとは、お客さまと自分たちをつなぐやりとりのすべてを指すのです。それを踏まえた上でまず言えるのは、近年ネットを活用した手法が注目されるなか、最終的にはすべての商談はネットによる仮装世界ではなく、リアルな世界でおこるということです。

 アメリカ企業の先進的手法

アメリカの最先端企業も同じことを考えているようです。最近注目を集めている、Demandforce(デマンドフォース)ReachLocal(リーチローカル)は、お客さまもしくは潜在的なお客さまとのコミュニケーションを支援するサービスを中小企業に提供しています。 例えばDemandforceの場合、Eメールでの連絡、ハガキによる予約確認やお礼の連絡、満足度調査、クチコミ支援等々に至るまで、企業とお客さまを結ぶコミュニケーション促進のためのさまざまななツールをオンラインで提供しています。

また、お客様同士のコミュニケーション、すなわち評価やクチコミ情報を企業からの情報発信に活用するサービスや、地域の企業ディレクトリーへの掲載、オンライン予約サービスも提供しています。さらに一連の活動がどの程度お客さまの数や成約件数の増加に寄与したかを確認できる効果測定機能(ダッシュボード)により、費用対効果や今後の戦略方向性を確認できるようになっています。つまり、「売れる仕組みづくり」に必要な様々なサービスを一括して提供できるのが同社の特徴なのです。

〝試して任せる〞ツール

経営者には、たくさんのやるべきことがあります。仕入れ、商談、営業まわり、社員教育、新商品・サービス開発、資金繰り・資金調達、経営計画策定…。すべては売上増加、利益向上、顧客満足度の向上のためではあるのですが、結果として人手不足という課題を抱えがちです。加えてFacebookやTwitter等のソーシャルメディアやGoogleプレイスなどの地域メディアの急激な進化もあり、これに追いついていくのは大変なことです。  

先に挙げた2社の最大の特徴は、複雑で専門的なメディアの進化にも対応し、種々の「売れる仕組みづくり」作業を代行、すなわち肩代わりするシステムを有している、という点にあると言えるでしょう。  

このように見てくると、基本的にはまず自分で「試す」ことが出来て、忙しかったり専門的な事柄が必要な場合には「任す」ことが出来る。それこそが、本当に役立つ、有効なマーケティングツールと言えそうです。

 たった3分でHP開設

アイ・モバイル社もこの方向性を目指しています。マーケティングツールの定番であるホームページを起点として、さらに「売れる仕組みづくり」を促進するツールを拡充させていく予定です。  

まずユーザーが「試す」という面では、今年10月1日に提供を開始したBESTビジネス「玉手箱」コース(TKC『FX2』『e21まいスター』ユーザー向けサービス)は、利用開始から3年間無料でお使いいただくことができます。業種や住所などを入力するだけで、どなたでもたった3分で見栄えの良いホームページを開設していただけます。もちろん、商品を詳しく説明するページを追加するなど、さまざまなページの編集も無料で行うことができます。また、ページを印刷して会社パンフレットとして使うなど、ネットにとどまらず「リアル」との連携も可能で、ダッシュボード(効果測定)機能による戦略検討もできるようになっています。

さらに来年初頭より順次販売機能(ショッピングカート)、電子メールアドレスなどお客さま情報の管理機能・メール配信機能等を追加し、すべて一括してできるマーケティングツールとして、機能強化を図っていく予定です。また、忙しい、対応できる人がいない等の事情で「任せたい」場合には、比較的安価でサポート付きの上位コースをご利用頂けるようになっています。

まずはホームページから

はじめから難しいことにチャレンジする必要はありませんが、ホームページはマーケティングの第一歩として最適です。さらにメディアミックスやリアルに拡大することで「売れる仕組みづくり」につながっていくものと考えています。  

この記事への感想や疑問、今後興味のあることなどがありましたら、ぜひお知らせください。  

*この記事は、株式会社TKCが発行する雑誌「戦略経営者」2012年10月号の経営スクランブル(戦経セミナー)に掲載されています。

古屋 亮太(ふるや りょうた)
アイ・モバイル株式会社 社長室 

早稲田大学卒業。ピッツバーグ大学公共政策・国際関係大学院修士。外務省系の財団に勤務後、ネットマーケティング企業(現:楽天リサーチ)の立ち上げに参画。以降、日本ユニシスなど複数の企業において経営戦略・新規事業開発などに従事、多くの戦略策定やネットマーケティングツールの開発を行う。

last update:11月5日

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