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【海外ビジネスアイデア第5回】スティーブ・ジョブズが変えた世界

あなたがもしグーグルで「Steve Jobs (スティーブ・ジョブズ)」と検索したら、10億件もの関連ページが出てくるでしょう。野田首相は1300万件、オバマ大統領は5億3300万件です。「GOD(神)」は、15億件ですのでこの中ではトップですが、スティーブ・ジョブズは、多少関係のないページがあるとしても、「神」に一番近い結果です。少なくとも若い人にとって、彼は神のような存在として見られていました。

支配者が創造したもの

私のとても親しい友人が、iPodが発売される前、Appleで働いていました。当時Appleは、コンピューターメーカーとしては二番グループに属する会社でした。ある時彼女は、新しく出るマックの会議に出たのですが、そこでは何カ月もかけて調査をした結果を元に、マーケティング部が価格を提案しようとしていました。スティーブ・ジョブズは価格の提案書は一瞥もせず、商品だけを見て言いました。

「1,499ドルだね」。

彼は、市場調査を信用しないことで有名でした。とり付かれた様に、完全に、何もかもを支配しようとしました。私はアップル製品を大変気に入っていますが、スティーブ・ジョブズの崇拝者ではありません。ごく一部の人だけが、一緒に働いて楽しむことができたのではないかと思います。しかしながら、彼の業績を振り返ると、非常に印象的なことがあります。それは、いろいろな事を経験する中で、彼がすべてを支配したいという気持ちをうまく抑えて、他社とつながり、連携する世界を作り上げたという事です。スティーブは、Apple以外、あるいは自分の他は同じことはできないと信じて、iPhoneやiPadなどを創造し、音楽・ゲーム・出版社などと提携して、様々な技術を持つ企業が魅力的なサービスを提供できるようにしました。これは、その後のグーグルのアンドロイド開発促進にもなりました。今では、新しく出る携帯電話のOSとして、iPhoneのiOSとグーグルのアンドロイドは世界の二大勢力です。また、タブレットPCのiPadは、マイクロソフトが支配していたウィンドウズOSの脅威となり、コンピューターと電話との境目を失くそうとしています。

変化する情報へのアクセス

スティーブ・ジョブズのAppleが起こしたスマートフォンとタブレットPC革命の結果、世の中の情報と接する方法が根本的に変わりつつあります。人々はより相互につながり合い、時間も場所も関係なく、その指を操作してより多くの情報を得て共有するようになりました。携帯電話やツィッター、フェイスブック、eメールが無ければ、震災の時にどう連絡を取ることができたでしょう。つい先ほども、私は日本の同僚にビデオ電話をかけていたところです。iPhoneを使ってスカイプという無料通話サービスにアクセスし、我が家のリビングルームで歩きながら、携帯画面に写るビデオで顔を見て話しました。

中小企業に及ぼす変化

このような流れは、どのような影響があるでしょうか。

特にインパクトの大きいものとして観察される二つを挙げたいと思います。
価格比較とクチコミサービスです。

今アメリカで、自社製品の価格について理解する一番早い方法は、アマゾンの価格チェックアプリを使うことでしょう。4つの方法で
価格比較ができます。

  1. 製品バーコードをスキャン、
  2. 写真をとってアマゾンのデータベースと参照
  3. 商品名を読み上げる
  4. 検索窓にキーワードを入力。いずれかで探すと、その商品を取扱っている店や価格比較がすぐに出て、そのまま注文できます。似たようなアプリはすでに20以上もあります。これを使うと、店で見た商品をすぐにインターネットと比較してどちらかで買うかを決めることができます。

インターネットによる価格のプレッシャーは中小の店に大きくふりかかってきています。もう、価格や便利さだけでは対抗できず、サービスやお客さんとの関係で勝たねばなりません。対応すべきポイントは、左上図をご覧ください。Price Pressure Basics and Review Site Basics

クチコミサービスの影響力も、大きくなっています。私の友人は
誰でも海外に行く前に、旅のクチコミサイト「トリップアドバイザー」のサイトを見てホテルを予約しています。このようなサイトで売上が伸びる企業もあり、ダメになるところもあります。サンフランシスコで始まった地域のクチコミサイト、「イエルプ」でも、悪いクチコミが出て商売を閉じた店もあります。対応すべきポイントは左上図をご覧ください。

スティーブ・ジョブズも結局は、ただの人間だったと思いますが、私たちの住む世界に大きな影響を与えました。彼によって、いつでもよりつながりあえるようになったのです。中小企業が使える武器も変わり、さらに顧客が求めることも変わってきています。たくさんの変化がありますが、より透明な価格、ソーシャルネットワーキングなど、根本的に見える世界が変わってきているのでしょう。

【翻訳】ITマーケティング研究所副所長 西山裕子

*この記事は、株式会社TKCが発行する雑誌「戦略経営者」の2011年12月号、経営スクランブル(戦経セミナー)に掲載されています。

オリバー・C・チャブ

オリバー・C・チャブ
アイ・モバイル株式会社 ITマーケティング研究 取締役

1965 年アメリカニューヨーク州生まれ。スタンフォード大学MBA取得。
日商岩井で東京都都市開発プロジェクトを行い、日本の環境庁で政策提案を行うなど、日本で幅広い経験を持つ。

数々の会社を立ち上げ、アメリカのパートナーにアドバイスを提供する。サンフランシスコ在住。

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