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【営業戦略 第5回】販売機会はどこにある?一歩上を行くために

この案件は、投資すべきものなのか?

これまでのコラムでは、自分や他人のタイプの見極め、小型や大型の商談を成功させる効果的なコミュニケーション、営業プロセスツールの管理などをご紹介してきました。今回は、販売案件を評価するヒントをお話ししたいと思います。

毎日の営業活動の中では、複数の商談が発生します。また、これから新規に攻めていきたい案件もあるでしょう。自分の時間も、スタッフの人数も、また案件にかける費用も限られているでしょう。会社経営者や事業部長の方々にとって、どの案件に投資するかは非常に重要です。いかにそれぞれの案件の可能性を評価し、ビジネスを拡大して一歩上の営業の世界に進んでいくか、考えてみましょう。

TAS式(ターゲット アカウント セリング)営業戦略と呼ばれる、ウィルソン・ラーニング ワールドワイド株式会社 が提供しているプログラムでは、販売機会を診断し、競合分析や組織分析をすることで効果的な営業戦略を見つけ、効率的な活動ができるようになっています。特に販売機会診断では、下記の4つの分野の質問に答えることによって、事業機会を見つけていきます。

  1. 販売機会は、ありますか?
  2. 競合に参加できますか?
  3. 勝ちとることできますか?
  4. 勝ちとる価値がありますか?

まず重要なのは、そもそも販売機会があるか、という一のポイントです。それを理解したうえで、2番目以降の質問に答えて勝率を判断していく必要がありますが、なんといってもどれほどの機会があるかを確認しなければなりません。そのために、下記の5つのポイントを把握する必要があります。

◎更に詳しくしりたい方は、こちらの表をご覧ください。(PDF)

この中でももっとも重要なのは、(4)の予算です。その案件では、顧客は社内で予算がとれているか、予算をとるプロセスは決まっているかを確認をしなければなりません。それを知る一番良い方法は、稟議書を見せてもらうことです。稟議書を見れば、案件の背景、決済権のある人の名前、予算規模がすべてわかります。

稟議を見せてもらうなんて、無理ですって?実は簡単な方法があります。

稟議書をこちらが作るのです。

ほとんどの人にとって稟議書は作るのが面倒なものです。たたき台を作成しましょうと提案すると、意外に受け入れられることがあります。たたき台作成の中で、予算規模や組織体制、キーパーソンはだれかなどを聞き出せます。私が関わった案件で、私の稟議書をほぼそのまま使ってもらったこともありました。そこまで信頼関係ができていれば、もう成功は見えています。

販売機会があることがわかったら、営業戦略を練ることができます。

以前私が販売していた製品で、市場の35%を占めるトップシェアのものがありました。販売活動にも、3つの異なる戦略が考えられました。1)現在の地位を維持する(Retention)、2)他社からのユーザーを新規に獲得する(Conversion)、3)かつて自社のユーザーだったが今は違うという客を取り戻す(Aquisition)。3つの中では、現在の地位を維持して継続購入してもらうことが最も利益が出ていました。また、既存ユーザーは20%程度が関連品を購入することもわかっていたので、1)が優先でした。どの戦略をとるのはどの案件が適しているのかは、まず販売機会を評価することで決めることができるのです。

販売機会がある、とわかったら、次にはどの程度勝率があるかを分析して、勝つための戦略を作り上げます。その方法を、競合を考えて販売機会を診断する方法などをご紹介したいと思います。

<営業コラム 社員の営業力をアップする>
第一回: 苦手なタイプを克服するコミュニケーションスキル
第二回: 一方的な商談ではなく、双方向へ広がる質問とは
第三回: 大型商談を成功に導く4つの質問
第四回: 営業のブラックボックスを明らかにする
第五回: 販売機会はどこにある?一歩上を行くために
第六回: 競争に参加できるか?商材が顧客の要望を満たさないとき
第七回: この営業に勝つことができるか?相手を知る、関係を作る
第八回: この勝負
第九回: 案件診断
第十回: 差し迫ったニーズがなくても販売できる ~ 将来性をどこまで説得できるか

若林保司
アイ・モバイル株式会社 エンタープライズ事業部長

1962年生まれ。コンパック・コンピューター、コンピューター・アソシエイツ、フォービス代表取締役社長、北欧の大手通信機器メーカーであるGNジャパン代表取締役社長を経て現在に至る。IT・通信業界に詳しく、日本のベンチャー企業から外資系企業まで、立上げの経験を持つ。GNジャパンでは、ゼロから10億円の売上実績を出し、「JABRAブランド」を構築する。良い経営者と言われるより「ベストセールスマン」と言われる方を好み、好きな言葉は「在緻密至成就」(よりきめ細かく緻密に考えた者が、必ず成功するという意味)。

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